学長日記

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2014.01.22 (水)

いくつあっても

最近、地元愛という言葉を耳にする機会が増えました。

先日傍聴したある会合でも、地元愛を高める取り組みについて発表がありました。
「○年後には、△△という商業施設ができます。さらに□□という商業施設もオープン」

わたしが生まれ育った地域は、子どものころはピザの配達もコンビニもなく。
母親のバイクの後ろに乗ってスーパーへ行くのが楽しみでした。


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昨年11月。
仕事のため佐賀県唐津市で一週間ほどすごしました。
「唐津くんち」というお祭りと重なり、4ヶ月前にはすでにホテルが満室、電車で1時間ほど離れたところに宿泊しました。
人口13万人の唐津市に、3日間で延べ50万人以上が訪れるといいます。

古い街並みを残す家々の居間は開かれ、家族で帰郷したであろう人々が集っている様子が見えます。
「この街出身のひとはみんな、この日ばかりは帰ってくるんだよ」
道端でご婦人がそう教えてくれました。

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「エンヤ!エンヤ!」の掛け声に心躍りながらついていくと、獅子や龍に鯛など一風変った曳山の数々。

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交差点はひとつの見せ場。
息を合わせ掛け声とともに曳山は地面をこすり、唸るように轟音を上げながら一気に方向転換。

人から街から、ほとばしるエネルギー。
圧倒的なパワーに包まれた日々でした。

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上京して約15年。
わたしの出身地は人口が増え開発が進み、新しく商業施設ができ、思い出のスーパーもシネコンを含む複合施設となっています。
生活をするには便利になりました。
でも、その施設は帰郷の理由にはなりません。

唐津の人たちのような強い地元愛には、積み重ねた文化や関わりも重要なのでしょうね。

わたしも出身地の滋賀県、好きです。
滋賀の魅力を発信しているSNSのおかげで、新しい動きや懐かしい場所を手軽に知れ、故郷を想っています。
いつか滋賀をじっくり旅したい。

東京のにしがわ、多摩30市町村には400万人が暮らしています。
住み続ける人にも、いずれ出て行く人にも、これから住む人や遊びに来る人にも愛着を持てるところであって欲しい。


去る1月12日、にわ大では地元愛を語り合う授業が開講されました。
授業中、親が転勤族で地元がどこかわからないという人に、「友達が一番多いところじゃないか」という意見があったそうです。
なるほど。
その考えも取入れると、わたしは「にしがわ」も地元と言えます。
にしがわへの地元愛とか言っちゃいます。

好きな場所がいっぱいあって、会いたい人が大勢いて、まだまだ知らないことが沢山ある。

地元は、いくつあってもいい。
もっと、地元のことが知りたいです。

2014.01.01 (水)

あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。
昨年10月に就任して以来、初の学長日記です。

あらためまして。
2代目学長の西川義信です。

今朝、多摩川にかかる石田大橋にて初日の出を拝んできました。

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繰り返し日は昇る。
しかしこの日ほど、老若男女こぞって朝日を待ちわびることはないでしょう。
見知らぬ人たちと共有する高揚感はなんとも心地が良いものです。
いつもより他人に優しくなれる気がします。


昨年を振り返ると、結婚・学長就任・第一子の誕生と様々な変化があり、運命の大きな流れを感じた一年でした。
しかしそれは、慌ただしいでもなくがむしゃらでもなく溢れるでもなく、自分の範囲にあると感じられる不思議なものでした。

学長就任から3ヶ月。
にしがわで暮らす人たちや地域、そしてにわ大のこと。
これまでより考えさせていただく機会に恵まれました。

2013年は流れの中にあり、2014年は公私ともに動きある年になりそうです。
にわ大も学びを中心とした活動を踏襲した上で、新たな一面を少しずつご覧に入れることができると思います。

これからの3年、その先の10年。
希望も課題も積み重ねていくことになるでしょう。
お力添をいただきながら、皆様の暮らしが豊かになる切っ掛けになるようなにわ大に育って欲しいと願っています。

本年も東京にしがわ大学をよろしくお願い申し上げます。

そして、皆様にとって健やかで幸多き年となりますように。

プロフィール

東京にしがわ大学
三代目学長
伊藤恵梨

三重県出身。学生時代に御岳山に出会い、御師集落の取材・研究活動を開始。2013年から毎年、にわ大でも御岳山の授業を実施中。七福神めぐり、風景印集めなど、何かをめぐり(収集)しながら地域のよさを見つけるのも好き。だれでも、いつでも、お帰りなさいで迎えられる、あたたかい学びの場を目指します!

東京にしがわ大学
二代目学長
西川義信

ITをつかって・つくって・つなぐ人。滋賀県甲賀市出身、国立市在住。茶畑広がる田舎で育つ。自然と食を中心にコミュニティづくりに取り組む。にしがわで多彩な人々の多様な関わりがあり、豊かなくらしのひとつに東京にしがわ大学があるよう日々奮闘中。

東京にしがわ大学
初代学長
酒村なを

立川の米軍ハウスという「人のつながり」を強く感じるにしがわの「長屋」で生まれ育つ。立場やバックボーンの違う、多種多様な人々すべてが集える「場」を作りたいという熱い思いを胸に、日々奔走中。

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