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パワースポット&山上グルメ編(青梅市)

誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

これまでの授業レポート

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2016年9月11日 (日)
御岳山の暮らし・歴史・文化を知る山歩きツアー
パワースポット&山上グルメ編(青梅市)

日時
2016年9月11日(日)09:20 - 14:30
教室
御岳山
所在地
東京都青梅市御岳山(マップ
定員
12名(抽選:9月4日)
授業料
無料(ただし、昼食御師料理2,000円と保険代30円)
協力
御岳ビジターセンター
先生
馬場晃一
授業コーディネータ
伊藤恵梨

■授業レポート

・参加者 9人

にしがわのさらに西側、ここが東京?!と疑ってしまうほど青々とした山を望め、気軽に遊びに行ける山としても人気を集めている、それが御嶽山です。
にわ大ではもうお馴染みの授業となる"御嶽山の暮らしに触れる授業"、今回で4度目の開催となりました。

JR青梅線、御嶽駅を降りると、目の前に広がる山々。天気が心配される曇り空の中、参加者9名、スタッフ4名の計13名が集合しました。まずは、ケーブルカー乗り場へ向かい、御嶽山駅を目指しますが、斜面を上るにつれ、だんだん周りに霧が立ち込めていきます。「霧の御嶽」 なんて呼ばれていることもあり、御嶽山駅へ到着した時にはあたりは真っ白でした。空気もひんやりとしていて長袖でないと寒いくらい。駅では今回の授業の先生である馬場さんと、同じくガイドの島田さんが出迎えてくれ、授業がスタートしました。
入口の鳥居をくぐり道中を歩きますが、霧は立ち込めたまま、日の出山はじめ景色が見えないのは、うーん残念。
ただそれが逆にとても神聖な雰囲気です。途中すれ違う宅急便の車。物資を運ぶのも一苦労なようですが、数年前の大雪の時は、集落が孤立してしまい、自衛隊も出動したそうです。
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そんな山岳での暮らしの中、御師集落を築いてきた御嶽には、多くの宿坊があり、中でも信仰を広める役割である御師の住宅は、参拝者の宿泊施設であると同時に、参拝前の祭式を行う場でもありました。
その御師住宅で、都の有形文化財に指定されている「馬場家御師住宅」へまずは向かいました。
茅葺の屋根に、正面には立派な鳥居。一見すると格式高い神社にしか見えないのですが、なんとこちらは馬場先生の個人のお宅です。確かに、鳥居の横には表札が。そして「※現在も生活していますのでかってに入らないで下さい」という看板が正面に立っています。
今回は実際に中にも上がらせていただき、これには何度か御嶽に来たことのある参加者の人も「いつも外から見るだけだったのに中に入れるなんて・・・!」と大興奮。家の中は広く、祭壇があり、参拝者の方が直会をするお座敷がありました。天井は高く、昔は囲炉裏もあったそうで、煙が抜ける穴も発見しました。
囲炉裏の煙で萱が燻されて、コーティングもされるし、虫も寄り付かないなどの利点もあったり、床が高く、湿気対策にも工夫がされていたりと、昔の人は自然とともに無駄ない暮らしをつくっていたのだと、先生からもお話がありました。普段はすることのできない貴重な体験でした。
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その後は、御嶽山随一のパワースポット「武蔵御嶽神社」へ向かいます。標高929M、生憎工事中でしたが、ちょうど雲も晴れてきて山々のきれいな景色が見ることができました。各自御朱印などももらいながら、境内を進むと、ちょうど本殿の裏にひっそりお社があります。これが、「おいぬ様」を祭る大口真神社(おおぐちまがみしゃ)です。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が、御嶽山の山中で狼によって難を逃れ、「この山に留まり、地を守れ」と仰せられたことから、古来より狼は「おいぬさま」と崇められ、災除けの神様として信仰を集めているのだそうです。詳しくは【にしがわカルタ「め」】をチェックしてみてください♪
少し奥へ進むと山の中に少し開けたスペースがあり、「太占祭場(ふとまにさいじょう)」と書かれた看板がありました。 
ここは、毎年1月3日、早朝から火が焚かれ、牡鹿の肩甲骨を火にくべて、割れ具合からその年の農作物の豊凶を占うという、日本最古の占いが行われている場所だそうです。今ではこの神事は、群馬県にある神社とこの御嶽にしか残っていないとのことで、古くからの信仰や祭りが今でも受け継がれていることに静かに感動を覚えました。

12時も周り、なかなかお腹も減ってきたところ。最後にめぐるパワースポットは産安社(うぶやすしゃ)という、縁結びや、安産などのご利益で知られる神社です。また長寿の神としても厚い信仰を集めています。女性に人気そうですね。
お社自体は小さなものですが、その横にある3つの大樹にとてもエネルギーがみなぎっているように感じました。
それぞれ「子授け檜」「夫婦杉」「安産杉」と呼ばれています。中でも「夫婦杉」は ふくよかなコブが多くある方が「女杉」、もう一方が「男杉」といわれ、2本が繋がりあって仲睦まじく立っている姿から夫婦杉と呼ばれています。二人手をつなぎながら木の間を通るといっそう円満になり、男性は女杉を、女性は男杉を触りながら木の間を通ると良縁に恵まれるといわれています。 参加者もみんなで良縁を願いつつ、通り抜けていきました!良縁に恵まれることを祈ります!
逆に反対周りをして木の間を通ると、喧嘩で相手に勝てる・・・なんていういわれもあるとか無いとか。みんな仲良く円満が良いですね。
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そして、パワースポット巡りも終了し、楽しみにしていた藤本荘さんでのランチの時間です。広いお座敷で、程よく疲れた身体を伸ばしながら、順番に出されていく御師料理たちを堪能しました。
季節野菜の天ぷらに、焼き魚、栗ご飯、デザート・・・御嶽でとれた食材を使って、こんなふうに参拝に来る人たちにふるまっているのだなと、とても素敵な時間でした。その日その時にとれたものを使ってのお料理なので、来るたびに違うメニューが楽しめることもまた魅力だと思います。藤本荘さん素敵なお料理をありがとうございました!
授業はこれにて無事に終了し、現地で各自解散しました。

実際にそこで暮らす方からお話を聞くことで、御嶽のことがぐっと近くに感じられ、御嶽の山全体が教室となり、自然、歴史、文化、信仰、食、住まい、今の人々の暮らしの様相を、私たちに教えてくれました。
同時に、この先もっと人が減ったら?後継ぎがいなくなったら?自然が変化したら?など未来についてもふと考えさせられる瞬間がありました。次回は宿坊に泊まって、御師集落の暮らしをもっと体験できる1泊2日授業を企画しちゃうかも?!なんていう裏話もありつつ、まさか東京にこんな場所があるなんて・・・!"だからにしがわはおもしろい。"と改めて感じることのできる授業でした。
馬場先生、島田さん、ビジターセンターの皆さま、どうもありがとうございました。

レポート担当|岸加奈子
写真撮影|磯貝久美子








■テーマ
御岳山の歴史、文化、暮らし、食を五感で味わおう

■対象者
・御岳山の歴史や文化、暮らしに興味がある方
・御岳山の農業や食文化に興味がある方
・にしがわ(多摩地域)の歴史や文化に興味がある方
・ビジネスマンとは違った仕事や暮らしに興味がある方
・地域のコミュニティや集落に興味がある方





■授業について
御岳山に行ったことはありますか?
子どものころからにしがわに住んでいる人は、遠足などで親しみがある場所かもしれません。
バスやケーブルカーも整備されているので、近頃は気軽に遊びに行ける山としても人気を集めています。

この授業は、そんな御岳山全体が教室です。
なかでも山上の暮らしや歴史・文化に注目します。
山上には江戸時代のはじめにできた17代以上続く御師集落があり、老若男女140人ほどが暮らす小さなコミュニティがあります。
先生には、御岳山の御師集落で生まれ育ち、929mの山頂にそびえる武蔵御嶽神社の御師として働く馬場さんを迎え、山歩きをしながら江戸時代に山上に集落ができた理由や山上での暮らし、にしがわと御岳山の深いつながりを学びます。

毎年恒例?となった御岳山での授業。
4度目となる今回は、御岳山で随一のパワースポットとされる遥拝所と縁結びにもぴったりな産安社にも足を延ばし、ツアーの最後には、御岳山の歴史と食文化が結集した御師料理のランチに舌鼓を打ちます。

御岳山に行ったことがある人も、はじめての人もお待ちしています。

※御岳山の歴史や文化を紹介した「にしがわカルタ」の記事
2013年の同ツアーの様子
2014年の同ツアーの様子
2015年の同ツアーの様子



■授業の流れ


09:20

JR青梅線【御嶽】駅前に集合・受付

※08:57【青梅】駅発→09:18【御嶽】駅着(この電車が便利です)

09:30

東京にしがわ大学の説明と授業の説明、スタッフの紹介

バス停に移動

09:40

バスで御岳登山鉄道【滝本】駅へ移動

10:00

御岳登山鉄道で【御岳山】駅へ移動

10:10

御岳山到着

先生の紹介と参加者の自己紹介

10:30

御岳山の山歩きスタート

先生と一緒に山歩きをしながら御岳山に集落ができた歴史、御師と講、御岳山の暮らしなどを学ぶ

じっくり見学スポット:御岳山の畑、馬場御師家住宅、御師集落、神代ケヤキ、商店街、鳥居前広場、階段の講碑

12:00

武蔵御嶽神社到着

神社由緒やおいぬさま、太占についての説明を受けた後、参拝

御岳山頂、遥拝所

自由時間15分

12:50

産安社到着

神社の由緒についての説明を受けた後、参拝

恋に効く!?夫婦杉などに願掛け

13:30

宿坊で御師料理を楽しむ

御師料理、御岳山の食についての紹介

14:30

授業終了・解散

※ご自身でお帰りいただきます

※終了後は、各自で自由に山の散策などを楽しんでください



■持ち物
動きやすい服装、歩きやすい靴、飲み物、筆記用具、タオル、帽子、折りたたみ傘など

■定員・締切
12名(抽選:9月4日)

■注意事項
※当日は昼食を除いて、屋外で歩きながらの授業となります
※雨天時は少し予定を変更して開催します(カッパがあると動きやすいです)
※電車の本数が少ないので時間に余裕を持ってお越しください。受付終了時刻を過ぎた場合は、各自でお越しいただきます(御嶽駅からバス、ケーブルカーで30分以上かかります)
※御嶽駅から御岳山までのバスやケーブルカーは一般の方に混じっての利用となります
※アクセスが悪い場所での授業になりますので、体調が悪くなった場合は早めにお知らせください
学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。

先生プロフィール:
馬場 晃一(武蔵御嶽神社 御師、御岳ビジターセンター解説員)

1981年御岳山の御師の一家に生まれる。
2012年御岳ビジターセンターの職員となり、現在に至る。
解説員、及びに神主の勉強に日々励む。

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