東京にしがわ大学

【授業レポート】

2014年6月21日(土) 東京で牧場体験しよう！〜見て触れて食するまで〜＠八王子

授業当日の6月21日は、梅雨の真っ只中。授業開始直前まで天気予報の雨マークを気にしていたスタッフ一同でしたが、おかげさまで非常に過ごしやすい天候での授業実施になりました。子どもだけじゃなく、大人も大興奮な1日となった今回の授業。東京の「にしがわ」でこんなに豊かな自然と動物たちのふれあい満点な場所があることをご存知でない方も多いのではないでしょうか？

授業は京王高尾線 山田駅集合からスタート。大人17人、子ども5人の計22人での参加となりました。
駅から徒歩10分。東京都内とは思えないのどかな野菜畑の間をすすんでいきます。ジブリにでてきそうな小道をおりていくと、見えてきたのは放牧場。そこにいる羊たちの愛らしい姿に一同、大興奮。期待が高まるところに牧場入り口からも牛が見えたりと、子どもに混じって大人たちも歓喜の声をあげていました。
到着早々、食事中の牛たちを観察したりと興奮冷めやらぬなか、まずは自己紹介から。お母様と娘さん、そしてお孫さんもご一緒で三世代での参加や、近所に住んでいたけど来るのは初めてという方。お友達ご家族で参加に、ハードな体験を期待している（？！）という体育会系の男性などなど。東京都内にこんな牧場があるなんて知らなかった、という方が多いようでした。 今回の教室である磯沼ミルクファームさんは、牧場から取れる牛乳は東京都で最優秀賞を取得されており、ホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスの3種の乳牛を合わせて約100頭での酪農を営まれています。「牛乳をただ作るのではなく、多くの人と作り上げる牧場にしたい」と語られるのは今回の先生、磯沼牧場の代表、磯沼正徳さん。カウボーイ・カウガールスクールと称した各種牧場イベントも行い、人と地域をつなぐ活動も行っています。

磯沼さんのお話に耳を傾けながら、早速、牛セラピー開始です。
仔牛のいる牛舎へ移動すると、そこには生後3ヶ月程の仔牛から先月生まれたばかりの仔牛までいており、元気に飛び回ったり、ひと休みしていたりと様々な様子で迎え入れてくれます。牛舎にほのかに香る甘く香ばしい匂いは敷きわらにカカオの殻を使用しているとのことで、動物特有の匂いもそれほど気になりません。実際にカカオ殻を手に取って匂ってみると、芳醇なチョコレートのいい香りがしました。
仔牛の抱っこ体験では仔牛とは言えど、50kgもあるとのことで、成人男性でも持ち上げるのに一苦労。なんとか持ち上がると歓声が沸き、大盛り上がり。最初はおそるおそる覗いていただけのお子さんも仔牛に優しく触れてみたり、横からハグしたりと人懐っこい仔牛の姿に嬉しそうでした。
そのまま、仔牛を連れての牛散歩へ。放牧場に上がると、近くに生えている草が大好物だそうで、餌やり体験も同時に楽しめました。力が強いだけに、引っ張るつもりが牛に引っ張られたりと、なかなか難しい牛散歩に大人達が挑戦。力加減に悪戦苦闘しながらも、専用のくしをつかってのグルーミングをしたりと、それぞれが思い思いに楽しみふれあうことが出来たところで記念撮影も行いました。

牧場に戻ると、時刻はお昼時。お昼ご飯の準備と平行して、ここではバター作りが行われました。瓶に入った磯沼牧場の牛乳をバターミルクとバターに分かれるまで振り続けると、ちゃぷちゃぷしていた牛乳が次第にゆたゆたしてきて、あるときにふっと軽くなるんです。初めてのバター作りに子ども達も興味津々。一心に瓶を左右上下に振っていました。
そうして出来上がったバターの試食と磯沼さんのご好意で作っていただいたカレーでのお昼ご飯。自家製のお米をミルクで炊き上げたミルクご飯と、自家製ルウを使用し、具材も畑で取れた野菜や自家製のウインナーが入っている特製カレーはとってもまろやかで美味しく、牛乳がほんとうにぴったりのカレーでした。磯沼牧場で販売している牛乳やヨーグルトの試飲試食までさせていただき、なんとも贅沢なお昼ご飯タイムとなりました。
美味しいご飯にホッとしたところで、待ちに待った乳搾り体験です。絞り方を教わるも、実際にやってみるとなかなかうまく搾れない乳搾り。なんとか搾れると、思わず声をあげてしまう程、乳牛と搾りたてミルクのあたたかさに感激でした。搾ったミルクは保湿力も高く、まさに乳液そのもの。早速、搾りたてミルクを手や顔に塗るお子さんの姿も見受けられました。

最後は、芳醇な香りのカカオのお茶をいただきながらの質問タイム。東京と北海道の酪農の違いについて、お話を伺いました。感想タイムでは、普段なかなかふれあうことの出来ない体験に、五感で楽しめた、子どもが全身で楽しんでいるのが伝わった、実際に触れないと分からないことがたくさんあったなどの生徒さん方の声に、「一般の人にも幅広く牧場を知ってもらい、人と地域をつなげる活動をこれからもやっていきたい」と磯沼さんのお話で授業は終了となりました。終了後も、さらに牛を眺めたり、販売所で牛乳やヨーグルトを購入したり、アイスを食べたりと思い思いに過ごす生徒さんたちの姿が印象的でした。
子どもだけでなく、大人でも十分に楽しめ、実際に見て触れることでしか分からないぬくもりや、育まれる恵みのミルクを通して「いのち」をより間近に感じることの出来る授業でした。牛乳を飲むたびに、可愛らしい牛たちの姿が目に浮かぶようです。貴重な体験を、本当にありがとうございました。

（レポート：橋本亜弓）

■テーマ
牛を見て触れて食しての体験を通じて都市型牧場を知る、感じる

■対象者
・東京の牧場に行ってみたい人
・牛に触れ、牛を知りたい人
・牧場、自然を満喫したい人
・東京の酪農について話を聞きたい人

■授業について
京王線・山田駅から徒歩10分のところに牧場があることをご存知でしたか？

八王子の磯沼牧場で、子どもから大人になるまで、牛の成長を見て、触れて、牛からの恵みを食するまでを一通り体験できる、牧場体験ツアーの開催です。

牛セラピーと称して赤ちゃん牛を抱っこしたり、仔牛と一緒に散歩したり、大きい牛と触れ合ったり、牛の乳搾り見学・体験もあります。
牧場で出来たミルクを使用してのバター作りをした後は、オリジナルのカレーと共に試食と、牧場でのランチタイム（昼食持参）を楽しみましょう。

先代が牛乳を売り始めたのは戦後。
2代目・牧場主の磯沼正徳さんは、「美味しい・楽しい・牧場」と題し、開かれた牧場めざし、一頭のジャージー牛のミルクだけでつくるヨーグルトをはじめとしたオリジナル商品の開発・販売など様々な挑戦を続けています。

観光牧場ではない磯沼牧場には牛の顔が見える面白さがあります。そして都市で酪農をするということの醍醐味と難しさなど牧場主・磯沼さんのお話もじっくり聞ける貴重な機会です！

東京の牧場・自然を楽しみたい人！都市型牧場を見てみたい人！
初夏の風を感じながらの牧場体験、一緒に楽しみませんか？

■授業の流れ

10:00

京王線山田駅　集合

磯沼牧場へ移動

10:20

磯沼牧場に到着

はじめに（スケジュール紹介、自己紹介など）

10:40

牛セラピー〜柵越しではなく実際に牛に触れてみよう！〜
赤ちゃん牛の抱っこ、子ども牛との触れ合い、うし散歩、バター作りなど

12:00

ミルク製品の試食とランチタイム！
バターやカレーなどの試食ができます。
※試食用のクラッカーはご用意しておりますが、必要に応じて、昼食用のパンやサラダなどご持参ください。
※ミルクやヨーグルト等、磯沼牧場の商品のご購入も可能です。

13:00

乳搾り見学・体験
質問タイム

14:00

おわりに（一言感想など）

14:30

終了

■持ち物
・軍手、タオル、エプロン、レジャーシート
・昼食：試食はございますが少量です。必要に応じて昼食用にパンやサラダ、飲み物などご持参ください。
※牧場ミルク等をご購入予定の方は、保冷袋などをご用意いただくと便利です。

■定員・締切
大人20名（親子参加できます）・締切6/13（金）

■注意事項
・親子参加も可能です。お申し込み時にお子さんの年齢も教えて下さい。
・野外での授業ですので熱中症等ご注意下さい。飲料水等は各自でご用意ください。
・牧場です。また、牛にも触れあいますので、滑りにくい靴、動きやすく汚れてもいい服装でお越しください。
・手作りバターに合わせて少量のクラッカーをご用意しております。またカレーの試食もございます。いずれも試食程度の量ですので、ご自身のお腹具合に合わせて、パンやサラダ等ご自由にお持ち下さい。尚、牧場で販売しているヨーグルトや牛乳などはランチタイムにもご購入いただけます。

※小雨決行。雨具をご持参ください。（内容を変更する場合があります）
荒天時の場合のみ中止。（その際は事前にご連絡します）

※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。

先生プロフィール：
磯沼正徳　（磯沼牧場　代表）