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年に一度の七福神めぐり

お正月の風物詩として知る人ぞ知る七福神めぐり。有名な神社やお寺での初詣もいいけれど、たまには趣向を変えて、地図を片手にまちの風情や歴史を味わいながら、神社やお寺をまわって願掛けをしてみませんか?

私の七福神熱!


八王子七福神の絵馬。七福神と聞くと、宝船に乗ったこのイメージが思い浮かびます

そもそも七福神とは、大黒天、恵比須、弁財天、毘沙門天、寿老人、布袋尊、福禄寿からなる、福を招く7人の神様のこと。これらの神様が祀られている地域の神社やお寺を順番にまわって祈願するのが、七福神めぐりです。

3年ほど前、新聞記事で見かけて以来、七福神めぐりがちょっとしたマイブームになっています。記事では日本最古の京都の七福神めぐりや東京最古の谷中七福神などが紹介されていましたが、調べてみると日本中に100を超える七福神めぐりがあることがわかりました。そのうち、にしがわには約10ヶ所、23区には約20ヶ所、と予想以上の数に驚きました。江戸時代から続く地域もあれば、なかには、まちづくりのために最近はじまった地域もあり、ますます興味が湧いたのです。

七福神をめぐれない!?


記事を見てすぐにめぐってみようと思ったのですが、あっけなく翌年のお正月までおあずけになってしまいました。それもそのはず、七福神めぐりは、通年開催のところもまれにありますが、1月上旬に期間限定で開催しているところがほとんど。七福神めぐりの楽しみのひとつ、特製色紙に七福神の御朱印を集めたり、宝船や限定お守りなどの授与品を購入できるのもこの期間だけとなると、次のお正月を待つしかありません。これもまた魅力なのですが...。

念願の七福神ならぬ八福神めぐり


七福神めぐりをしている人で賑わう境内
1日がかりで集めた七福神ならぬ八福神の御朱印

待ちに待った2014年のお正月、生まれて初めての七福神めぐりは八王子で挑戦しました。八王子の「八」と末広がりの「八」にちなみ、七福神に吉祥天が加わった「八福神」ということで最初から変化球ですが、昭和56年(1981年)から実施されている、にしがわでは古株の七福神です。ちなみに、八王子のように、地名や歴史と絡めて神様が7人以上いる場所も多々あるようです。

モデルコースを参考に、八王子駅を出て繁華街を突っ切り、住宅街に点在する8つのお寺を順にめぐっていきました。特製色紙を購入し、順に御朱印を集めていくのは、想像以上に達成感があります。八王子七福神は、特製色紙も凝っていて、毎年色が変わり、7年分、7色の色紙を集めると金色の色紙がもらえるようになっています。2014年は赤色でした。また、今回はやりませんでしたが、七福神が描かれた絵馬に御朱印を集めることもできます。

道中、同じように色紙を手に七福神をめぐっている人が結構いて、すれ違うと思わずお互いに笑顔になって、声を掛け合ったりしたのがとても印象に残っています。

八王子の駅前は何度も行ったことがありましたが、七福神めぐりのおかげで、普段は足が向かない路地裏の隠れた見所を発見することができ、誰かに紹介したくなりました。七福神がまちづくりで活かされる理由が少しわかった気がしました。

超高速!1ヶ所で済ませる七福神めぐり


熊川神社では、かわいらしい七福神をあっという間にめぐれます

最後に番外編にも触れておきましょう。七福神はめぐるのが基本と思いきや、なかには、7人の神様が一堂に祀られている「一ヶ所七福神」なるものもあります。にしがわにもあるはず、と探し出したのが熊川神社の「福生七福神」。七福神が一列に並んでいることを想像していましたが、ここでは境内の石像を順番にめぐれるようになっています。

かかった時間はほんの数分でしたが、これはこれで楽しい!なにより、年中いつでもめぐれるのもおすすめです。高尾山にも一ヶ所七福神があるそうなので、今度の登山の際に行ってみたいです。

まだまだあるよ!にしがわの七福神


このほかにも、にしがわにはめぐってみたい七福神がたくさんあります。記事の中で紹介しきれなかったにしがわの七福神を一覧にしましたので、次のお正月はにしがわで七福神めぐりをして、新年からまちの発見を楽しんでみてください。


2014年12月21日

記者プロフィール

伊藤 恵梨
三重県の神道の家系に生まれる。大学入学時に上京し、御岳山と出会う。東京の山中で御師集落が営まれていることに感動して取材・研究活動を開始。寺社と地域や人がつながる七福神めぐりなどにも関心を寄せる。

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