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ラジオ体操から広がるまちとの関係

普段は仕事で離れた都心に通い住んでいるまちとはほとんど寝に帰るだけの生活からどのようにしてまちの人たちとの関係が広がっていったのか。週1回のラジオ体操の会をきっかけにまちとの関係を広げていった小林さんにお話を伺いました。

夏休みじゃなくてもやっているラジオ体操の会


三鷹駅前のラジオ体操の会は毎週日曜の6:25ごろから。三鷹駅南口のこの看板とのぼりが目印です!

3月のある日、休日出勤で朝三鷹駅に向かうと駅前の広場でラジオ体操をやっているグループを見かけました。ラジオ体操は夏休みのイメージがあったので不思議に思い、調べてみると毎日NHKラジオなどで放送されており、全国各地でラジオ体操会が行われているとのこと。ラジオ体操やラジオ体操の会については高橋秀実『素晴らしきラジオ体操 』草思社などで詳しく紹介されていますよ。

この駅前でのラジオ体操の会に、早起きできた日などに何度か勇気を出して参加させてもらいました。体を動かすことで朝から頭がスッキリするので休みの日が一日有意義に使えていい取り組みだと思いました。そこで、このようなラジオ体操の会を始めた人はどんな人なのか気になり、主催している小林さんにお話を伺うことにしました。

ラジオ体操の会を始めるまで


ラジオ体操のあとは周辺のゴミ拾いを行い、有志で近くのカフェでいろいろとお話をします

小林さんは多摩地域の別のまちで生まれ育ち、都心のIT関連企業で働き始めてしばらくして三鷹市に移り住みます。三鷹市にはもともと知り合いが近所にいるわけでもなく、生活必需品を買う以外でほとんど地元を歩いたことがなかったんだそう。

そんな小林さんですが、脱走した飼い猫を保護してもらったことがきっかけで、同じマンションの親切なご夫婦と仲よくなり まちの人たちとの関係づくりの楽しさに目覚めます。

そして、健康や食について大学の夜間コースで学んでいたこともあり、専門を活かして気軽な健康づくりやそれを通したまちの人たちの交流の場としてラジオ体操の会をやってみようと考えます。始めるにあたっては、市の広報で見つけて参加した「まち活シンポジウム」というイベントで出会った人たちの協力や、さらには通っていた大学から専門性を活かした社会活動として助成を受けることができたことが大きかったようです。

続けることで広がるまちとの関係


ラジオ体操の会は最初は数人だけだったですが、毎週決まった場所で決まった時間に継続して開催することで少しずつ参加者が増えていき、現在では20人を超えることも。ラジオ体操は小さなころに経験している人が多く、10分弱で終わるので気軽に参加できることもあり、地元企業の経営者や市役所職員などなどいろいろな背景を持つ人たちが集まるようになりました。

ラジオ体操の会を始めてまもなく2年になり、地道に会を続けている理由はたくさんの地域の資産(人やモノ)の発掘・発見、特に人財の発見・発掘ができ、つながりがうまれていること。

Webに関する知識を持っている人にWebサイト構築を手伝ってもらったり、行政とのつながりがある人には会場使用などの手続きに協力してもらったり、小林さんが旅行などで休みのときも開催できるようになるなど、会がより持続可能な取り組みになっていく好循環が生まれています。

また、小林さんのパートナーがフランスのワイン農家ということもあり、ラジオ体操の会で知り合った方のご紹介で、地元産の野菜とそれに合うワインを楽しむ企画を地元の会合の中でさせてもらう機会も得られたそうで、地域での活動の場が広がっているようです。

次なる展開


さらに、小林さんはラジオ体操の会を通して知り合った仲間にも声をかけて他にも、住んでいる三鷹のまちでいくつかの活動に取り組んでいます。

そのひとつが「たびもあ」という海外の人たちと三鷹のことを紹介するツアー。ここでもラジオ体操で知り合った書道の先生の方にお願いして、書道体験をするなど人脈が生かされているようです。

集まってくれた仲間でお互いを高め合いながら、その人が自分が持っている得意分野や知識を生かして、力を発揮してさらに輝いていく様子を見るのは楽しいと小林さん。

最後に


自分ではじめた活動で知り合った仲間とまた新しい活動を次々と始めていく。メールなどを使ったネットでのコミュニケーションが発達していても、近くに住んでいるからこそ、気軽に集まってコミュニケーションがしやすくいろいろなアイデアが生まれるなど、その実行に向けて動きやすいものがあるのかもしれません。

東京にしがわ大学に参加している人たちの中にも、これまで地域の活動に参加していなかったけれどもにわ大への参加がきっかけで住んでいるまちの人たちと知り合い、彼らと地元の活動に参加するようになった人が何人もいます。

みなさんは住んでいるまちとはどんな関係ですか? この機会に見つめなおしてみるのもよいですね!

2014年10月14日|三鷹市

記者プロフィール

藤岡恭平
三鷹市在住。ラジオ体操といえば、新潟県から愛知県に引っ越して夏休みのラジオ体操が1週間しかないことにビックリしました。

写真

小林さんよりご提供いただきました

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