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生粋のにしがわ人

生まれも育ちも職場もにしがわ。そんな生粋のにしがわ人だからこそのにしがわでの暮らしがあるはずに違いない!ということで、にしがわ生まれにしがわ育ち、にしがわ勤務の山下真央さん(通称まさおさん)を密着してみました。

老舗和菓子屋で感じる季節の訪れ


歩道から眺める菊屋さんの外観。
最初に案内していただいたのは、あきる野市にある和菓子屋『菊屋』さん。あきる野市にお店を構えたのは江戸末期のこと。今もなお、あきる野市で愛され続けている老舗和菓子屋さんです。現在は5代目店主がお店を切り盛りしており、季節ごとの素材を活かした和菓子づくりをしています。その中でも『苺大福』がまさおさんのお気に入り。12月下旬から3月上旬頃にしか販売されない季節モノなので、「毎年、苺大福が売られはじめると冬の訪れを感じ、販売が終わると春の訪れを感じます」と語るまさおさん。また、元旦には家族で近くの二宮神社に参拝した帰りに、菊屋で縁起物を買うのが慣例とのこと。「年の変わり目、季節の変わり目に菊屋あり」といったところでしょうか。

しかし、あきる野銘菓で季節の到来を感じるとは粋ですね!個人的にはあきる野市の名産である栗の和菓子も気になります。季節ごとに旬の和菓子があるので、季節が変わるたびに足を運んでみてもよさそうですね。

畑という社交場に集う


土いじり隊の畑。撮影日はちょうど「のらぼう菜」を収穫していました。

菊屋さんを後にし次に案内していただいのは、なんと......「畑」。これまた「何故、畑なのか?」と尋ねたところ、「東日本大震災があって以降、微力ながらも食べ物を買うことには頼らない生活の在り方を考えていきたかったので『土いじり隊 』に入隊しました」とのこと。土いじり隊は登録者30名程度の団体で、月2回の定例活動があります。基本的に植えるものに制限はなく、各々が植えたいものを植えているそうです。もちろん、農業の専門家ではありませんから失敗もたくさん。だからこそ、上手く農作物が実った時は嬉しさも一入。他にも刈った下草で焚き火をしたり、沖縄出身のメンバー金城さん(通称じゅんパパ)の三線リサイタルが行われたり、参加しているご夫婦の子供同士が顔を合わせ遊び仲間になるなど、畑は一種の社交場にもなっているようです。

土を見る機会は都心にいても多くありますが、土を触る機会というのは意外にもないもので、こういう場所があるのは子供にとっても大人にとっても、とても良いことのような気がしました。そのようなことからも分かるように農作物を作るだけが土いじり隊ではなさそうですね。畑は交流の場で、土は交流のきっかけ。土を耕し、人を耕す。人との出会いに種を撒く。それが土いじり隊の畑。土のぬくもりと共に人のぬくもりが感じられる魅力的な畑でした。

地元にある田舎


古民家と管理人の福元さん。

そして、最後に案内していただいたのは秋川を目の前に望む古民家。「田舎のおばあちゃんの家」というと、みなさん似たような風景を思い浮かべるのではないでしょうか。そんな感じの場所です。

ここは生活クラブが運営する五日市協同村『ひだまりファーム 』。施設は築100年以上の古民家で、目の前には心地よいせせらぎのする秋川が流れており、渓流釣りをはじめ様々なアクティビティが楽しめる場所となっています。畑同様、「何故、古民家を案内してくれたのか」と尋ねてみたところ、まさおさんの祖父が宮城県出身でまさおさんは子供の頃、夏になるとよく宮城県の田舎に足を運んだとのことで、その風景とひだまりファームの風景が重なり、「おじいちゃん、おばあちゃんの家のようなどこか懐かしい場所」と語るまさおさん。その懐かしさに拍車をかけるのは管理人の福元さんの存在が大きい。優しい笑顔が印象的なご近所のおじさんといった感じで、いつ行っても「元気だった?」と笑顔で出迎えてくれるそうで、違う日には「お茶でも飲んでいきなさい」と、また違う日には「ご飯でも食べていくか?」と言ってくれたりもするそうです。私が2度目に行った時も笑顔で出迎えてくれました!こんなご近所さんがいたら毎日寄り道してしまいそうな気がします。場所に対してではなく、人に対して寄り道できるのってなんか素敵ですね。

これにて生粋のにしがわ人まさおさんへの1日密着は終わりますが、生粋のにしがわ人によるにしがわの暮らしが少しは見えましたか?まさおさんの暮らしを通して見えてきたのは、地域に根を張ったお店の魅力や人との繋がりやぬくもり。人の存在の上に成り立つ暮らしの風景がそこにはありました。引越し予定のある方、候補地にいかがですか?

2014年05月11日

記者プロフィール

瀧澤純希
埼玉県新座市在住の編集者。2014年1月より「にわ大編集室」に参加。自分が予想以上に"にしがわ"について無知だということに驚きを隠せず、「にしがわカルタ」の取材を通してにしがわを勉強中。

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