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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2015年6月20日 (土)
東山道武蔵路を歩く1―国分寺から小平―

日時
2015年6月20日(土)13:00 - 16:00
教室
国分寺市・小平市
所在地
JR中央線西国分寺駅・西武拝島線小川駅マップ
定員
10名(先着)
授業料
無料
先生
松井 信雄
授業コーディネーター
松井 信雄

■授業レポート

当日の様子

数日前の天気予報は「雨」の予報・・・。

「開催出来るのかな?」と心配していた「東山道武蔵路を歩く1―国分寺から小平―」の授業。そんな心配はよそに天気に恵まれ無事開催されました。

さて、この日の授業の先生は松井信雄さん。
「?」、授業コーディネーターも松井信雄さん・・・。授業コーディネーターをちょっとした事のある私でしたが、授業の始まる前から「ご苦労さまです・・・」と言葉には出しませんが感じてしましました。

そうこうしているうちに授業の始まりの時間が近づいてきます。
「あれ! もういらしていたのですねと生徒さんが「にわ大」の旗を見付けては一人、また一人と集合場所にいらっしゃいました。

今日の参加者の方を待つ間、お話を伺っていると毎年開催されていた「キャンパスツアーを楽しみにしていたのだけれど、今年は・・・」、「東山道の(この日のコースの)北の方は歩いているのだけれど・・・」と生徒の皆さんの関心の高さと楽しみにされていた様子がひしひしと伝わって来ます。

お約束の集合時間となりました。改札前では他のお客様のジャマになると少し場所を移してまずは自己紹介。

まずは先生兼授業コーディネーターの松井さん。
(にわ大)地図部で歩いた事もあるコース、(実は)キャンパスツアーでもやりたかったというコース、松井さんの想いが伝わってきますね。この日のスタッフの紹介を簡単にして、次は生徒さんです。

小平、国立、東村山、立川、国分寺、武蔵村山、みなさん「にしがわ」の方ですね。
自己紹介で改めて「キャンパスツアーを楽しみにしていた」、「やっと、にわ大の授業に参加できた」とお話を聞かせて頂くと嬉しい気持ちになります!

授業の始まりから「ほっこり」とした気持ちになっていましたが、「さあ、授業開始!」。
集合場所のJR西国分寺駅から西武拝島線 小川駅まで「東山道武蔵野路」を歩きます。

ちょっとその前に西国分寺駅の南側にある
ところでみなさんは「東山道武蔵野路」をご存知ですか?

私もこの日まで知らなかったのですが、どうやら6〜7世紀にできた近江、美濃、飛騨、信濃、上野、武蔵、下野の7つの国の国府を連ねる道のうち当初は群馬県邑楽郡から東京都府中市を通り栃木県栃木市へと向かう道でした。それが8世紀頃に府中市から東海道へと繋ぐ道となったようです。

しかも幅10〜12mの道が10数kmに渡りほぼ真っ直ぐに整備されていたようです。
※この日は東山道武蔵野路の一部、もっと長く整備されていたんですよ!

まずはJR西国分寺駅の南側に向かいます。
駅から徒歩5分もかからない場所にこのように遺構跡が残されています。

さらに広い歩道の両端に何やら色の異なる不思議な舗装のされた場所が・・・。
※両端の色の違う舗装、東山道武蔵野路の両端にあった側溝跡なのですよ。

東山道の歴史などのお話を聞いたら、さあ、西国分寺駅方面に戻って駅の北側から西武拝島線 小川駅方面へと向かいます!

西国分寺駅を(少し)北に向かい、最初に来たのは「姿見の池」。この日はカルガモの親子も気持ち良さそうに泳いでいます。

そんな池を少し通り過ぎると東山道武蔵野路の案内が!
さきほどまでいた場所から10mくらいは(標高が)低いのでしょうか。しかも池があるようなぬかりそうな場所に人馬の通れるどんな道を造ったのでしょうか?

もう一枚の案内板を見ると納得です。ずいぶんと苦労して造られたんですね〜。

まだ授業は始まったばかり、次へと進みます。
住宅街を通り北へと向かいます。府中街道と西武国分寺線が交わる踏切までやってきました。すると松井さんが地図を出し、この辺りを昔は・・・とお話されます。
言われた方向を向くと偶然に不自然な空き地が・・・。この場所を千年の昔、東山道武蔵野路が通っていたのでしょうか。

今度は府中街道を北上します。暫く歩き東戸倉の辺りまで来るとまた住宅街へと向かいます。

住宅街では不自然にクネクネと曲がる道路を歩くと再び松井さんが止まり下水道の蓋を良くみるように言います。「ほんの少ししか離れていないのに模様が違いますね〜」、どうやらここは国分寺市と小平市の境目のようです。だから蓋の模様が違うのですね。

更に北へと玉川上水を目指し歩きます。
玉川上水まで来ると、脇の遊歩道を少し歩いて小休止です。
巻物のように繋げられた地図を見ながら東山道武蔵野路のお話です。

この日最初に行った西国分寺駅南側のあの広かった歩道から10mほど標高の低い「姿見の池」、そしてそこからまた再び徐々に標高も高くなりほぼ平らな場所を北上するようにして造られた東山道武蔵野路。道路建設の常識ではそれほど大きな高低差を狭い範囲では造らないようにして設計がされます。でも、そんな常識を無視するようにしてほぼ一直線に北上するようにして造られたのはなぜか?
律令国家成立した頃の権力者の権力を示すためのものだったのか・・・。広げられた地図でも直線で繋がれる発掘跡地に感心です。

休憩を終えると津田塾大学の脇道を歩き再び北上です。
道路脇にはこうした建物があります。
この下(地下)には「武蔵野線」が通っているそうです。そう言えば、時折、地面が鳴り出します。電車が通過する音だったのですね。

気が付くと今度は鎌倉街道を北上し、青梅街道と交わる場所へと移動して行きます。
鎌倉街道沿いには果樹園があり、まだまだ時季は早いですがぶどう、キウイ、桃・・・、様々な果物が育てられていました。

青梅街道沿いのコンビニで再び休憩。
休憩の間にも地図を見ながらお話聞きました。ほぼ平らな場所を流れる玉川上水、ほぼ平らな場所を流したり、周辺地域の新田開発などのためにどこを流すのか先人は苦労したのですね〜。

この日のゴールまではあともう少し!
ちょっと寄り道して「ブリジストン東京工場」の(立ち入りしても大丈夫な)敷地内を歩いてこの日のゴール、西武拝島線 小川駅に到着です。
住宅街を歩いたりもしたので約7kmほどを歩きました。
参加された皆様、お疲れ様でした!

レポート|木内康浩

■テーマ
にしがわに残る古道(東山道武蔵野路)を歩く。

■対象者
多摩地域の歴史に興味のある方。古道に興味のある方。

■授業について
五キロの行程を三時間程度で歩くフィールドワーク。

スタート地点の旧鉄道学園敷地から次ポイント真姿の池までの200mたらずの間に10mもの標高差がある。
現在は道として利用されなくなった崖地に、あえて直線路を作った意味を考える。

その先府中街道を経て小平市に入ると今度は高低差の少ない武蔵野台地となる。
すると生活道路として東山道跡の一部が利用される。
しかしその道路も工場敷地に突き当たり再び姿を消す。

道路であっても時代や人間の都合に左右されることを知る。
途中JR武蔵野線の立坑や玉川上水の緑地、工場と共に来た文化なども紹介する。



■授業の流れ
13:00
JR西国分寺駅集合(食事は済ませて来てください)
13:10
挨拶、自己紹介、概要説明
13:20
旧国鉄中央学園跡地見学―解説―
13:40
姿見の池―解説―
14:00
住宅地内、普通街道を経て恋ヶ窪五差路へ
14:20
住宅地内をとおり小平市内へ―解説―
14:40
武蔵野線立て坑、砂川用水、鎌倉街道など見学 ―解説―
15:00
JR新小平駅着 休憩・トイレ
15:30
鎌倉街道、ブリジストン敷地内(一般道)散策
16:00
西武拝島線小川駅着 解散

■持ち物
筆記用具、カメラ。

■定員・締切
10名(先着)

■注意事項
・一般道を歩きます、一部道が狭くなっている場所があります、歩行の際はご注意ください。
・一部は住宅街内を歩きます、大きな声での会話など住人の方の迷惑にならないようご注意願います。
・トイレや休憩は途中のコンビニエンスストアなどの利用を予定しています。
・小雨決行、強雨や豪雨の場合中止とする。(午前11時に判断)
学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。

先生プロフィール:
松井 信雄(有限会社まつい測量事務所 代表)

・小平市出身立川市在住
・土地測量、土木設計業を自営
・元立川市報編集委員
・東京にしがわ大学地図部(本コースも地図部にて四月に実施)

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