05 授業に参加
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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。
これまでの授業レポート
2015年6月20日 (土)
キョテン107の使い方(日野市)
・当日の様子
誰もが自由に使える「パブリックスペース」ではない。個人で使う「プライベートスペース」でもない。その中間的な「コモンスペース」。
ある特定の人たちが井戸端会議をしながら地域とゆるやかに繋がっていくような半公共的な井戸端がJR中央線日野駅からわずか徒歩2分のところに新しくできました。
その名も『キョテン107』まだまだ試行錯誤の段階で、6月20(土)東京にしがわ大学でこのスペースの活用方法を考える授業が行われました。まさに、にわ大の得意分野かな? さて、どんな授業になったのでしょう?!
このコモンスペースは日野市周辺の住民や働く人たちと実践女子大学(日野市)、そして日野市の行政が三位一体となって運営していこうとするものです。
なので、この日の生徒さんはにしがわ大学から応募された生徒さんと実践女子大の現役大学生の合同で行われ、普段のにしがわ大学単独の授業とは一風変わったにぎやかでとても活き活きした楽しい授業になりました。
まずは、今回の先生である高田典夫先生のお話です。
高田先生は東京都文京区生まれの一級建築士であり、工学修士。東京工業大学工学部助手を経て、いくつかの設計事務所で建築・インテリアなどのデザインを行ってきました。 過去には数々の大きなプロジェクトも手掛け、その中には銀座のメゾンエルメスの基本設計も担当されたとのことです。
しかし、そんな多くのビッグプロジェクトを手掛けていく中で、「自分の手を動かさなくてもスタッフが動いてくれる大組織が嫌になってきた」とのことです。それで設計・モノ作りから離れていた時期に実践女子大でインテリアを教えてくれる人を募集しており、応募。現在の職についたとのことです。もともと実践女子大の建物が好きだったことも応募の動機だったそうですよ。
しかし、肝心の生徒が日野駅と大学の通学路の往復だけで実はあまり日野市を知らないのが残念とのこと、それで、身のまわりのちょっとした気になることに目をつけ、それを分析・考察することから住環境を考え、よりよい空間をデザインするための知識を学んで欲しい。まちづくりまでも見据えた広い住環境を考え、建築・インテリアのデザインに関心のある人はもちろん、「まち」や「ひと」、それらの関係について考えてみたい。そんな人たちと実際の空間を体験しながら住環境について考えていきたいという気持ちを持っていました。
それで『キョテン107』を15年の春にオープン(14年の秋にプレオープン)、今後は、日野駅周辺を盛り上げようと進められている「日野宿通り周辺のにぎわいのある街づくりプロジェクト(ひのプロ)」の活動拠点となる予定とのことです。
さて、キョテン107の使い方を考えるには、まずは日野駅周辺を知らなければなりません。
皆さんに与えられた使命は4「女子大生と日野で迷子になろう。そして、街の人たちとできるだけ会話をしよう
です。
生徒さんと実践女子大生が組んでそれぞれ三つのグループに分かれました。その3つとは、
Aチーム:仲田の森蚕糸公園方面の取材
Bチーム:黒川清流公園方面の取材
Cチーム:日野宮神社・東光寺方面の取材
しかし、上記の場所に行くことが目的ではありません。3チームがそれぞればらばらの方面に向かって道行く日野市民の方たちとお話しするのが目的です。
そして、私は東光寺・日野宮神社方面チームに同行させていただきました。
Cチームの皆さん、日野宮神社も東光寺もどこにあるのか知りません。スマホで地図を見るのは禁止。事前に渡された白地図だけが頼りです。
しかも、その途中に出会う人に日野についての取材もしなければなりません。なかなかハードルが高いと思いきや?皆さん、話かれるのが上手で感心しました。独りでは恥ずかしいけど、集団では多少の勇気が出たのかな?魚を獲っている子供連れ家族に取材です。何が獲れるの?日野は好き?
話しのきっかけは、道を聴くのが一番。取材も兼ねれば一挙両得です。
田んぼに繋がる水量を調整している方に仕事の話をお聞きします。授業でなければ通常は決して話しかける勇気なんてありませんよね。
取材を受ける方たちも嬉しそうで、お忙しいのにいろいろ教えていただきました。本当は授業に限らず、こういう会話が自然に交わされる日常になると素敵ですね。
取材が終わり、少しお腹が空きました。キョテン107に戻る途中にあった肉屋さんの揚げたてコロッケ。美味しかった?。
そして、1時間半の街歩き後に皆さんの成果発表です。いったいどんな成果を持ち帰ってきたのでしょうか。
A・BチームもCチームに負けない沢山の面白い取材話で盛り上がります。
・桑畑で偶然出会ったとても話好きな男の人との出会い。でも話が長すぎてなかなか次に 進めなかった(笑)
・個人宅にあるとても高いアンテナが気になった
・ビールゼリーという不思議なスイーツ
・金網に張ってあった図面の文字フォントが奇妙で面白かった
・清流公園で川にどっぷり浸かった子供たちが微笑ましかった
・路上や軽トラックで野菜を販売していて、とても美味しそうだった
・坂が多くてきつかった?
1時間半の短い時間でしてが、どのチームも面白い体験をたくさんしてきたようです。
そして、3チームから今後の『キョテン107』の使い方のアイディア出しです。その結果は?
・街の有名人、話の面白い人にここに来てもらい話をしてもらう。そして、その人が次に 来る人を呼んでもらい、友達の輪のように繋がりをもたせる
・清流公園で沢蟹を捕まえてここで飼い、世話を子供たちにしてもらい、子どものたまり場とする
・農家さんに日替わりで来てもらい、朝市マルシェをする。販売だけでなく、ここで調理をして出しても面白い
・盆栽展みたいな地域の人たちの自慢の一品を持ち寄り、展示する。地域を歩いてガーデニングに力を入れているお宅が多かった
・写真マニアでない素人の写真展
・『キョテン107』の常設棚にある本や物の感想を手紙のように添えておく。知らない人からのリアクションが手紙という形式であると嬉しい
・日野コンシェルジュを置きたい
等、たくさんの面白いアイディアが出てきました。今日はアイディア出しまでが目的なので、これらの中から具体的に何か一つに決めることはしませんでしたが、これからの「キョテン107」がこれからどんなアクションをするのかとても楽しみです!
傍観者ではつまらないですよ。興味のある方はどなたでも遊びに来てください!
レポート|千野龍也(しょうちち)
■テーマ
地域を知る。キョテン107の使い方を考える。
■対象者
キョテン107に興味のある人。
日野に興味のある人。
キョテン107で何かしてみたいと思っている人。
■授業について
キョテン107は地域の人と繋がりながら働き暮らし活動する、新たなコミュニティのあり方を考え、発信していく場所。また地域の「おもしろ!」と出会える場所でもあります。日野市内や近隣地域の情報が受け取れます。近隣のおもしろ情報もぜひお持ち寄りください。
4月3日にオープンしたキョテン107の使い方を考えていくワークショップです。
・自己紹介とキョテン107のご紹介
・3コースに分かれて「日野巡り」をします。
途中でチェックポイントに寄りながら日野の面白さを体験してください。
それぞれ気になったモノやコトを写真撮影してみる。掘り下げてみたいコトは近所の人に取材してみる。途中でお買い物してもOKです。
・キョテン107に戻ってワークショップをおこないます。
この場所でできそうなイベントや近隣のお店さんや施設などとコラボできる実現可能な可能性について探っていきます。
・発表とまとめ
・記念撮影とアンケート記入
- 13:00
- JR日野駅改札集合
- 13:10
- キョテン107に移動
- 13:15
- 授業開始 自己紹介&キョテン107の紹介
- 13:45
- 日野周辺の街歩き(1.5時間)
- 15:15
- キョテン107で取材写真のまとめ(15分)
- 15:30
- ワークショップ(1時間)
- 16:30
- 発表とまとめ(30分)
- 記念撮影&アンケート
- 17:00
- 授業終了
■持ち物
デジカメもしくはスマートフォン
■定員・締切
10名(先着順)
■注意事項
梅雨時期のために雨天も予想されますので、雨具などもご用意ください。
街歩きをおこないますので、動きやすい服装でご参加下さい。
※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。
先生プロフィール:
高田 典夫 (実践女子大学 生活科学部 生活環境学科 建築デザイン研究室)
1951年 東京都文京区生まれ 一級建築士 工学修士。東京工業大学工学部助手を経て、いくつかの設計事務所で建築・インテリアなどのデザインを行ってきました。
日本建築学会、こども環境学会、日本建築家協会、東京建築士会に所属、また市民ボランティアとして「NPO市民まちづくり会議・むさしの」「NPO武蔵野自然塾」に参加しています。