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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。
これまでの授業レポート
2014年3月29日 (土)
多摩の里山とめかい作り(八王子市&多摩市)
- 日時
- 2014年03月29日(土)10:00〜17:00
- 教室
-
1.めかい資料館(八王子市)
2.恵泉女学園大学(多摩市)
集合場所:多摩都市モノレール「松が谷駅改札」 - 所在地
-
1.八王子市東中野
2.多摩市落合 - 定員
- 15名(締切3月18日(火))
- 授業料
- 無料(但し、材料費として300円、交通費・ランチ代は実費)
- 先生
- めかい資料館 小谷田孝之
恵泉女学園大学 篠田真理子
多摩めかいの会 長瀬敏雄
- 協力
-
恵泉女学園大学
多摩めかいの会 - 授業コーディネーター
- 天野洋嗣 永松モトキ 木内康浩 有田夏希
【授業レポート】
多摩の里山とめかい作り
東京でも桜の開花宣言もされた週末3月29日(土)、良く晴れたお花見日和とも言えるお天気です。
9:35、集合時間よりは少し早いですが多摩モノレール「松が谷駅」に今日の「多摩の里山とめかい作り」の授業に参加される生徒の皆さんが一人、二人と集まっていらっしゃいました。
「初めての参加の方かな?」「あっ!お久しぶりです!」と初めて参加される方もいれば、何回か参加されている方もいらっしゃいます。「にわ大」の良い所ですよね!
今日、参加された生徒さんは男性4名に女性10名の14名。新宿、小平、国立、日の出、あきる野・・・、皆さん方々からお集り頂きました。
この日の授業、午前中を受け持って頂くのは恵泉女学園の篠田先生と小谷田さん、午後は「多摩めかいの会」の長瀬さんです。
はじめにこの日の授業のコーディネーターである天野さんから授業の概要説明があると次に自己紹介、みなさんに
「今日はどこから来たのか?」
「呼んで欲しいニックネーム」
「めいかいへの熱い思い!」
をお話頂きました。カゴ好きの方、手仕事が好きな方、聞いている私もワクワクし始めました!
自己紹介が終わったら「めかい資料館」へと移動です。
「めかい資料館」までの道中は篠田先生から「めかい」と材料となる「シノダケ」の説明を頂きました。
めかいには「シノダケ(アズマネザサ)」が使われ、多摩丘陵では比較的容易に手に入れる事ができた。
作られていた範囲は、西は八王子市の宇津貫、東は稲城市、北は日野市の程久保、南は町田市と多摩丘陵の狭い範囲。材料となるシノダケの分布やかつての女性の嫁ぎ先の範囲とも関連していた。
めかい編みに向いているシノダケは節から葉が出ていない真っ直ぐと延びたものが良いが、里山の手入れがあまりされなくなった現在は材料となるシノダケを手に入れるのも大変。
などなど、「めかい資料館」への移動に歩く道の脇も沢山のシノダケがあり、身近なものを使っていた事が良く分かります。
そうこうと歩いていると「めかい資料館」に到着です。この「めかい資料館」、午前中の二人目の先生である小谷田さんが個人で作られた「ほっこり」とする気持ちになる資料館なんです。
資料館に入ると正面には小谷田さんのお母様の写真、めかい編みの達人だったそうです。そして左側をみると大小さまざまな大きさに編まれためかいが壁一面に飾られています。六角形の編み目が本当に綺麗です。
ここからは小谷田さんのお話です。
材料となるシノダケも日向で育ったものと日陰で育ったものだと、日陰で育ったものの方がめかい編みには適している。日向でそだったものと比べると粘りがあり、フシの部分で折れてしまう事が少ない。
昔はクヌギ林の手入れでシノダケを刈り取っていたが、(宅地)開発されてからは手入れもされなくなり、めかい編みに適したシノダケを用意するのも大変になった。
もともとは農家の農閑期の仕事だった。農作物の栽培の終わる秋にシノダケを刈り取り、めかいを編む。ちょうど良い作業のサイクルだった。
次いで、生徒の皆さんから小谷田への質問タイムです。
Q:めかいは完成するまでを一人でするのでしょうか?
A:めかい編みは主に女性の仕事だが、ふちまきの作業は力のある男性がやっていた。めかい編みをする農家から問屋に納める「仲買人」はふちまき前のものを農家から買い取り、ふちまきをしてから問屋に納めていたようだ。
Q:めかいはどんな風に使っていたのですか?
A:大小さまざまな大きさのあるめかいは、主に野菜を入れたりするのに使っていた。大きなものはかつて樺太の方の問屋から魚を入れるのに注文があった。
Q:いつ頃の時代が一番忙しかったですか?
A:最盛期は戦前から戦後、時代によってリヤカー、荷車など変化はあったが、八王子にある問屋に日に三往復するような時期もあった。お正月には贈答品の入れ物に使うのに良く売れた。
Q:いつ頃からめかいが作られるようになったのですか?
A:めかいの歴史を調べると、江戸時代の文化文政の頃から作られ始めた。自然発生的に作られ始めたようだが、サンカと呼ばれた全国を転々とする職業集団が教えたのではないかという説もある。
質問タイムが終わると、館内を自由に見学です。引き続き小谷田さんや篠田先生にお話を聞く方もいれば、大小さまざまなめかいや壁に飾られている写真を見たり。まだまだここに居たい気持ちなのですが、めかい編みの本番へと向けて次の会場となる恵泉女学園へと移動です。
恵泉女学園に着くとまずは腹ごしらえ、学生さん達が運営する「オーガニックカフェ」でカレーとコーヒーを頂きました。有機野菜で作られたカレーとフェアトレード商品であるコーヒーは美味しかったですよ!
お腹の準備?も終わるとめかい編みです。
この日はシノダケではありませんが、クラフトバンドを使っての実践です。
先生は長瀬さん、定年退職後にパルテノン多摩に展示されていためかいに興味を持ち、講習会に参加されたのが始まりだそうです。そして、あれよあれよと言う間に3年が経ち昨年からは「多摩めかいの会」を設立し、会員同士で教え合ったりしているそうです。
はじめに、材料のクラフトバンドとこの日のために準備して頂いた資料が一人一人に手渡されました。次いで「三すくみ」と呼ばれるめかいを編む時の原則を教えて貰ったら長瀬さんの説明に従ってクラフトバンドを編んだり、「多摩めかいの会」から応援に来て下さった岡田さんに手ほどきを受けながら1本、また1本と編んでゆきます。
みなさん静かに、目の前のクラフトバンドと格闘しています。
なかなか声も掛け辛いので、私から見えている光景は・・・。
・そうそう、私も最初の時は苦労しました・・・。
・あっ!もう底の部分が出来上がった人も居ますね!
・あちらにはもう少しの人が・・・。
・おっ!すでにオリジナリティーを発揮している人も!
・本当に初めてですか!すごい完成度!!
時間はあっと言う間に過ぎてゆきます。
根気よく取組んだ成果もあり、始めてから3時間半、参加した皆さんが完成しました。完成したどれを見ても全く同じ物は一つもありません。それぞれに味わいがあって良いですね!
柔らかい感じのもの、お菓子が沢山入りそうなもの、みかんを入れるのにちょうど良さそうなかたちのもの、どれも良いですね!
お互いに出来上がっためかいを見せ合いっこして、集合写真を撮ったら授業も終了です。皆さん、午前中からの授業、ご苦労様でした!
(レポート:木内 康浩)
■テーマ
・めかい作りを通して里山とめかいの文化を知る
・多摩市でめかい作りの技術を体験する
・現代にあっためかいの使い方を考察する
■対象者
・多摩の里山に興味のある方
・めかい作りを体験してみたい方
・ものづくりに興味のある方
■授業について
1)めかい資料館の見学とめかいの歴史(30〜40分)
めかい資料館を見学し、めかいの歴史とめかい作りが発展した背景を探ります。
めかいといつごろどこから来たのか?そしてどんなものが製品になったのか?
めかいについてめかい資料館の小谷田さん、恵泉女子学園大学の篠田先生からこの際だからしっかり学びましょう!
2)めかい作り体験(2時間55分)
本来めかいは「篠竹(しのだけ)」を使う民具ですが、今回の授業では「編み方」を体験していただくため「クラフトバンド」を使用して制作します。
3)見せっこタイム(10分)
- 09:45
- 多摩モノレール 松が谷駅改札 参加者 受付開始
- 10:00
- 集合 参加者自己紹介
- 徒歩移動 ※松が谷西公園にて里山レクチャー(篠田先生)
- 10:30
- 授業開始(めかい資料館)
- 先生紹介とめかいについて(篠田先生)
- 10:40
- めかい資料館の見学とめかいの歴史(篠田先生&小谷田さん)
- 11:20
- 徒歩移動(40分)松が谷駅→恵泉女学園大学
- 12:00
- 恵泉女学園大学オーガニックカフェでランチ
- 13:00
- めかいづくり(長瀬さん)
- 16:45
- 見せっこタイム
- 16:55
- 記念撮影、アンケート記入
- 17:00
- 授業終了予定
■持ち物
・筆記用具
・ハサミ
・洗濯バサミorクリップ(10個)
■定員・締切
15名(締切3月18日(火))
■注意事項
※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。
先生プロフィール:
恵泉女子学園大学 人間社会学部 人間環境学科 准教授
篠田真理子
横浜市立大学卒。
会社勤務を経て1992年東京大学大学院総合文化研究科科学史科学哲学教室。博士(学術)。
天然記念物の歴史、多摩のめかいに関する研究を行っている。
先生プロフィール:
多摩めかいの会 事務局
長瀬敏雄
2001年12月電子機器製造会社定年退職
2002年1月多摩市ボランティア団体「男性ボランティア会議」入会
2002年4月「多摩市要約筆記サークル」入会
2008年4月「パソコンボランティア多摩」設立、代表
2013年3月「多摩めかいの会」設立、事務局
関連URLhttp://www.ne.jp/asahi/home/tonogusa/