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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。
これまでの授業レポート
2013年12月14日 (土)
子どもの声を聴く 〜絵本と昔話の楽しみ〜(国分寺市)
- 日時
- 2013年12月14日(土)11:00〜13:30
- 教室
- おばあさんの知恵袋(国分寺市 絵本とおはなしの店)
- 所在地
- 国分寺市南町2-18-3国分寺マンションB-03A
- 定員
- 15名(子どもを含む)
- 授業料
- 無料(但し、交通費・茶菓子代は実費)
- 先生
- 三田村 慶春
- 授業コーディネーター
- 千野 龍也 古川 ゆかり
【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。
肌寒い季節。
こんな時期にこそ、
心温まる物語はいかがですか?
おっと、失礼いたしました。
つい、そんなお誘いもしたくなってしまうような、
「絵本の授業」、レポートをお届けしていきたいと思います!
国分寺駅南口から徒歩2分、
階段を探り探り降りていくと、、、
ありました、レンガ張りの扉。
昔懐かしの三角くじを引いて、ゆっくり扉を開けてみましょう。
右手には、定番の絵本から、難しそうな専門書が本棚に。
そして左手には、かわいらしい絵が並んでいます。
ここは絵本・児童書専門店「おばあさんの知恵袋」。
貸ギャラリー「みみづく画廊」でもあります。
店内の絵本を眺めてみたり、ギャラリーを見てまわったり、
親子の生徒さんどうしで和やかにおしゃべりしたり。
生徒の皆さんは、思い思いの過ごし方をしながら、
緊張と期待を胸に授業開始を待っています。
授業開始の挨拶とともに本日の先生、店主の三田村さんが、
、、、と思いきや、出てきたのはピノキオ!
先生お得意の糸繰り人形がお子さんを引き付けます。
続いてそれぞれの生徒さんが、
自己紹介をしながら好きな絵本を教えてくれました。
まず、授業の1時限目は、生徒さんがつなぐリレー形式の絵本読み聞かせ。
今回の課題は、
「かいじゅうたちのいるところ」(モーリス・センダック / 創作絵本)
「三びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)。
先生からは事前に指導はありません。
感情たっぷりにじっくり話す方、
自分のお子様に語りかける方、
ちょっと照れながら読んでいく方も。
生徒さんは、それぞれの個性あふれる読み聞かせを展開していきます。
その後で、満を辞して先生からの解説。
先生は、
「読み聞かせのマニュアル」ではなく、
「読み聞かせとの向き合い方の提案」をしてくれます。
印象的なのは、先生の「人はみな、自分の人生の主人公」という考え方。
「だからこそ、読み聞かせる大人も絵本を楽しんで欲しい」、
「自分が背負ってきた人生が、読み聞かせをすると現れる」、
「子供の感性を大事に、感想を聞かなくても子供は考えている」。
絵本の読み聞かせという授業を聞いているだけでも、
先生の人生観をひしひしと感じることができました。
休憩を挟んで、2時限目が始まります。
ここでは、1時限目をふまえての読み聞かせのお話から、
人間の聴覚や絵本の歴史、世界各国の絵本の意義へと話が展開していきます。
「読み聞かせの合間で、お子さんの顔を見てあげて」、
「聴覚は人生の中で一番長く付き合う感覚」、
「各国が力をつけてきた時期は、子供達に絵本を通じて、自分たちの存在意義を伝えていた」、
「自分がなぜこの絵本が好きなのか分析してみて欲しい、人生観がわかるかもしれない」、
「読み書きだけでなく、読み聞かせの教育も日本では必要」などなど、
先生が紡ぎ出すストーリーに、
生徒さんがじわじわ引き込まれていくのが伝わってきます。
「絵本の読み聞かせ」というシンプルなキーワードから、
こんなに世界が広がっていくのですね!
今まで頷いていた生徒さんも、質問タイムではだまってはいられません。
出てくる質問も核心を突いてきます。
「どんな絵本が、『いい絵本』?」、
「悲しい物語の絵本も必要?」、
「悲しい絵本に対する率直な意見に、どう答えればいい?」、、、
特に印象的だったのが、
「語り手ってどんな立場でいればいい?」という質問。
先生は、
「『思いを共有したい』という熱意だけあれば十分。
読み聞かせる意図はぜひ持っていて欲しい。
でも、仮に子供が違う部分が伝わっても、
その感覚に寄り添ってあげて欲しい」
と答えてくれました。
物語と向き合うということは、
それを通じて別の人生と向き合うこと。
人との出会いや別れを繰り返すのと同じように、
一つ一つの絵本との出会いで、
自分を磨いていきたいですね。
そんなしみじみとした空気が漂い、授業が終わりに近づいてくると、
ここで思いがけないサプライズが!
先生とっておきの十八番、「ういろう売り」の口上が披露され、
その長台詞と早口言葉に生徒さんも喝采です。
ちなみに、この口上は発生練習や滑舌のトレーニングには最適だそうで、
この出し物からも読み聞かせに対する先生の熱意が伝わってきます。
これは、運営スタッフも誰も知らなかったんです!
いや、もう、最後まで引き込まれっぱなしでした。
授業の最後に生徒さんからいただいた感想からは、
充実感にあふれた笑顔の中に、読み聞かせへの意欲や絵本への愛情の高まりを、
十分に感じることができました。
授業後には、お店でテーブルを囲んでちょっとしたお茶会を開きました。
お隣の「洋菓子舗 茂右衛門」で購入した、美味しいケーキが、しっかり脇を固めてくれます。
絵本の話から育児のあれこれ、今度は生徒さんから、いっぱい学ばせていただきましたよー。
それはもう、絵本屋さんという一言で言い表せない、
おもちゃの玉手箱のような空間でした。
さあ、あなたも、レンガ張りの扉を開けに来ませんか?
そして今度は、心温まる物語を大事な人に読み語りかけてみませんか?
(レポート: 保坂三仁)
■テーマ
絵本、昔話から読み解く「想像力」「思いやり」「言葉の歴史」
■対象者
絵本が好き、昔話に興味がある
お話を聴くのが好き
■授業について
絵本を手にとったのはいつですか?
クリスマスプレゼントが「クリスマスキャロル」だったのは何歳のことだったのでしょう。
子どもの頃、読み聞かせてもらいながら、眠りについた時のあの楽しさを覚えていますか?
そして、あの有名なお話も、今、改めて読み解くと、全く違う真実が見えてくるかもしれません。
先生役はおはなし会を定期的に行っている絵本・児童書専門店「おばあさんの知恵袋」主宰の三田村慶春さんです。
お店にある絵本を手に自己紹介し、先生の読み聞かせをほんの少しだけ聞いた後は、参加者全員で数行ずつ絵本を読む「読み聞かせリレー」に挑みましょう。
聞くのと読むのでは大違い!大きな声、感情豊かな声だからといって、"心に響く"わけでもないようなのです。
先生から、創作絵本と昔話絵本の違いや、子どもに聞かせるだけではない、大人も楽しめる絵本の選び方、子供の「聴覚」の発達についてなどなど、絵本や読み聞かせについて、様々お話も伺いましょう。かつての少年少女も、大人になった今だからこそ、絵本に教えてもらう事もありそうです。
さあ、レンガの壁の扉をひらき、鐘が鳴ったらはじまりの合図です。ページをめくるたびにワクワクしていた子どもの頃みたいに、今度はオトナの視点でもう一度絵本を開いてみませんか?
※好きな絵本を教えて下さい。申し込みシートの「コメント」欄にご記入ください。
- 10:40
- (受付開始)※店内の絵本から、好きな絵本を1冊お選びいただきます。
- 11:00
- 絵本を持って自己紹介
- 11:15
-
リレー形式の読み聞かせ
『かいじゅうたちのいるところ』(モーリス・センダック / 創作絵本)
『三びきのやぎのがらがらどん』(ノルウェーの昔話)
- 12:00
- すこし休憩(子ども連れの方、早退・帰宅可能)
- 12:15
- 先生からのお話
- 12:45
- 質疑応答
- 13:15
- 感想、集合写真
- 13:30
- 希望者のみ茶会(実費)
- 14:15
- (撤収)
■持ち物
こども連れの方、茶会出席希望者はお菓子等。
■定員・締切
15名(子どもを含む) 応募者多数の場合は抽選(12月7日締切予定)
■注意事項
乳幼児を含むお子様同伴での申し込みも可能です。その際は、申し込みシートの「コメント」欄にお子様の年齢と人数を必ずお書きください。お子様の生徒登録は必要ありませんが、申込時にお子様の好きな絵本の記入をお願いします。
※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。
先生プロフィール:
三田村 慶春(絵本とお話の店「おばあさんの知恵袋」主宰 NPO法人 語り手たちの会 副理事長
)
絵本とお話の店「おばあさんの知恵袋」主宰、NPO法人 語り手たちの会 副理事長、日本児童文学者協会会員、日本児童文芸家協会会員。
国分寺駅南口から徒歩2分の場所で、絵本・児童書専門店「おばあさんの知恵袋」、貸ギャラリー「みみづく画廊」を経営。