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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2013年6月 8日 (土)
ロケットストーブと過ごす夏(小金井市)

日時
2013年06月08日(土)10:00〜15:00
教室
小金井市公民館緑分館(野外調理場)
所在地
東京都小金井市緑町3丁目3−23(JR東小金井駅より徒歩20分)MAP
定員
20名
授業料
無料(ただし、ストーブ製作希望者は一斗缶・煙突・昼食代として実費3000円、見学のみ希望者は昼食代として実費500円)
先生
トランジションタウン小金井のみなさん
共催
トランジションタウン小金井(TTK)
授業コーディネーター
酒村なを

【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。

梅雨入りしてから一週間、雨の降らない東京。雨よりも強い陽射しを心配していましたが、適度に曇って過しやすい一日となりました。
参加者は20名(女性10名:男性10名)内、親子1組、夫婦2組、カップル1組。
全員が揃ったところで自己紹介。持続可能なエネルギーやエコロジー、田舎暮らしに興味がある人が多い。薪ストーブや石窯に憧れる人、自宅に五右衛門風呂がある人も。

■説明・点火実演
TTKの斉藤さんが指導役となって説明。まずは完成品のロケットストーブを使っての点火実演。空気の通り道をふさがないように、焚口に小枝・新聞紙を詰め着火。びっくりするほど簡単に火がつきます。L字になった煙突の中で上気流が発生するため、団扇などで空気を送る必要もありません。断熱材で熱効率が良く、高温になり完全燃焼するので煙も少なく、燃料も少量で済むため、世界中で注目されています。
参加者は熱心にメモを取る人も多く。質問が続出。
?断熱材は何を詰めているの?
 =バーミュキュライト、鹿沼土、軽石など、燃えないもの。砂では重い。
?直接地面に置いて使えるか?
 =直接地面には置かない。ブロックなどを下に敷く。
点火実演をしたストーブで調理担当スタッフが昼食のカレーライスを作ります。

■製作開始
材料の説明。本体に使う一斗缶は飲食店などでもらったもの。その他の材料(ストレート煙突、エルボ煙突、鹿沼土、鉄筋など)はホームセンターなどで購入出来ます。
TTKの斉藤さんが作り方を説明し、一斗缶の上部を丸く切り抜く作業からスタート。切り抜いた部分もあとで使うので捨てないように。今回、実際に作業をするのは抽選で選ばれた5名のみ、他の参加者さんは見学。
TTKのスタッフがさりげなくフォローしていたり、指導役の斉藤さんが質問攻めにあっていました。見学者はメモを取ったりあちこち覗きこんでいます。
一斗缶を加工するのに使った金切りバサミ、いろんな種類があります。トタンも切れるというゴツイものや曲線を切るのに適した刃が曲線のものも。一見文房具のような華奢な万能バサミが意外にも切りやすいと好評。作業が早く進んだ参加者さんが他の参加者さんを手伝いながら「ナントカとハサミは・・・ って言うじゃない!」と得意げ。
一斗缶上部の作業が終わったら次の作業。一斗缶の側面にエルボ煙突を差し込む穴を開けます。放射状に切込みを入れて「のりしろ」のような折り返し部分をつけます。
穴の位置は一斗缶の底から何センチですか? という質問に、先生は「適当でいいです」と返事。5〜8cmくらいでしょうか? 目分量で印をつけてどんどん進める人、誰かがやるのを見てから真似する人、完成品を見てくる人、自分なりに考えて決める人・・・ 個性が出るのが面白いです。 
エルボ煙突を内側から差し込み、中心をあわせたら、ステンレス線で二重に巻いて固定します。線を上手く巻き付けられない人、きつく絞めすぎて線が切れた人。案外てこずっていました。線を2重の輪にしておくと上手くいくようです。多少ゆるくても隙間があっても、断熱材を詰め込めば安定するので大丈夫です。
日差しが出て、日向は汗ばむ陽気。作業に集中していますが、水分補給もして下さいね。
エルボ煙突が固定できたら、ストレート管を差し込み長さを決めて、切断します。
これが硬くてなかなか切れません。若い男性参加者が金属用ノコギリで果敢に挑戦。管がたわんで切りにくい様子。管の中に薪を詰めるといいというアドバイスをしたのは先生ではなく他の参加者。ナイスアイデアですね! 見学で来ていた参加者さんもいつの間にか手伝いに入っています。苦労している参加者を見ながらも「文明の利器は使いません。エコロジーですから」とTTKのスタッフさん。
時間の掛かるノコギリを使わず、ポンチで穴を空けて金切りバサミで切る参加者さんもいます。かなり力がいる作業ですが、ノコギリより速いです。
そこへ、なにやら重そうな機械が到着。地元町会のご好意だそうです。あら? 発電機と電動ノコギリですよね? 文明の利器は使わないのでは? 発電機のエンジンをかけ、始動。ガガガガガ・・・ 轟音とともに、あっという間にステンレス管が切れました。
速さなら電動ノコが一番、2番が金切りバサミ、3番が普通の金属用ノコ。しかし切り口の美しさは時間の掛かる金属ノコが断トツでした!! 
切ったストレート管をエルボ管に差し込みます。
調理班の使うロケットストーブにお釜が乗り、カレーの具が煮えて良い匂いが漂ってくると、そわそわし始める参加者さん。調理を見学する人が増えます。木陰のブルーシートで座って休憩する人も。皆さん自分のペースで。
始めのうちは製作は製作者に任せて、遠巻きにし見ているだけの見学者さんもが多かったのですが、時間とともに作業を手伝う人が増えていきました。力のいらない作業を女性がやっていたり、地味な作業を黙々とこなす男性がいたり。
ストレート管の余った部分は斜めに切り落として焚口にします。長さ・角度はどれくらいですか? 先生からは「適当」という指示。個性が出るところですね。「適当」に迷って、完成品を見に行く人も。角度がそれぞれ違って面白い。
焚口ができたら断熱材の鹿沼土を本体に詰め、とってをつければ完成、一番に出来上がったのは、小学2年生の女の子とお父さん。拍手がおこります。
早速、火入れ実験。あっけないほど簡単に着火。またまた拍手。あっという間に真っ赤な炎が立ち上がりました。大成功ですね。
断熱効果で外側が熱くならないと言われ、恐る恐る火のついたストーブを触ってみました。本当に素手でも触っても大丈夫でした。熱くならないとは、凄いですね。

■完成・昼食
13時を過ぎる頃、次々と完成。完成したばかりのピカピカの本体に、お手伝いしてくれたみんなからマジックで名前を書き入れてもらっている参加者さんもいました。いい記念になりますね。
途中トラブルがあったご飯炊きもカレーも無事完成、作業終了して昼食タイム!!
各自持参した食器でカレーライスを食べました。木陰に敷いたブルーシートに車座になるグループ、作業台の周りで立ち話しながら食べている人たち。具沢山のカレー、蒸したてのご飯も美味しかったです。食事をすると交流も深まりますね。

■まとめ・感想
昼食後、一人ずつ感想を発表。
「みんなの協力で無事完成した」「参加型の授業、ものづくりは楽しい」「ロケットストーブは火力も凄いと実感した」「カレーも美味しかった」「忘れないうちに仲間と一緒に作りたい」「みんなのアドバイスがあった」などなど、みんな笑顔が眩しいです。
先生方からの感想:
「はらっぱ祭りでTTKがやっていたのを、酒村なを学長が見つけて実現した授業。反応良かった。使いこなすまでがワークショップ。一人で作るのは難しい。体験をシェアしてもいい。見て得た知識だけでなく、手と五感を使って出来ることを増やしていく。災害時にも応用できる」(TTK斉藤さん)
「スタッフが念入りに準備してくれた。TTKの"TT"は"楽しく繋がる"とも読める、楽しく繋がってくれたのが良かった。持ち帰って皆さんのご近所でやって欲しい。エネルギーを自分に取り戻す。大きいシステムに依存しないでも、インフラに頼らないで自分達の暮らしを作っていく。他団体で一緒にやることもまたやりたい」(TTK梶間さん)

■集合写真・解散
にわ大恒例の全員での集合写真を撮影し、解散。
解散後も片づけを手伝ってくれた参加者さん、ありがとうございました。
名残惜しそうにお喋りしている参加者さんも多かったです。またお会いしたいですね。みんなで集まりましょうか?みなさんお疲れさまでした!!

レポート担当:K子


※撮影:鈴木俊太郎さん(藤野電力


■テーマ
・制作を通じて楽しみながらエネルギーのことを考える
・制作と火を囲んだ食事から生まれる「人の輪」作り
・手作りのアウトドアグッズをつくることで、夏のキャンプに新しい楽しみを加える

■対象者
ものづくりが好きな人
ロケットストーブが気になる人
アウトドアが好きな人
自然エネルギーに興味のある人

■授業について
ロケットストーブって知っていますか?一斗缶と煙突などの簡単な資材で安価に作れるエコストーブです。熱効率が良く、間伐材や廃材・木屑・竹など燃やすものを選ばないのも特徴で、少ない燃料でなんと燃焼温度が500〜600度にまで上げられます。ロケットストーブという名前の由来も燃料が燃えるときの「ゴーッ」という勢いある音からきているそうです。
もちろん暖をとるだけでなく調理もできちゃう優れもの。
災害等の非常時にとても実用的で東日本大震災の時には様々なタイプのエコストーブが活躍しました。


※撮影:鈴木俊太郎さん(藤野電力

本授業は、一斗缶を利用したロケットストーブをつくるワークショップ。
持ち運びにもとても便利なこのストーブは、キャンプやバーベキューでも重宝すること間違いなし。一家に一台ロケットストーブ。そんな気持ちでつくれたらと思います。
「作って持ち帰るのは・・・」という方には、見学のみに枠もご用意しました。作り方を学び、後日ご自宅で制作してみてはいかがでしょう。

先生は小金井市で自然エネルギープロジェクトをはじめ様々な形で「ジモト(地域)のチカラ」を高める活動をされているトランジションタウン小金井のみなさん。
制作を楽しみながら「エコなエネルギー」「地域のチカラ」についてもざっくばらんに話しましょう。
また、授業後半にはストーブを利用した昼食タイムもあります。火を囲んでゆったりしたにしがわ時間の中で美味しいごはんを一緒にいただきましょう。

なお、応募の際は
【ストーブ製作希望】
【見学希望】
のいずれかをお書きの上、お申込ください。

■授業の流れ

9:30
東小金井駅集合(教室が少し離れているので一緒に向かいます)
10:00
はじめに(みんなで自己紹介、作業説明)
10:45
制作開始
13:00
ロケットストーブを利用した昼食をいただく
14:00
みんなで感想
14:30
アンケート
14:45
記念撮影
15:00
終了

■持ち物
・マイ食器
・軍手(制作希望者は必須。見学者は任意)
・マイ工具 ※お持ちの場合(金切バサミ、ペンチ、缶切り)

■定員・締切
20人(ストーブ製作者:5人、見学者:15人。応募者多数の場合は抽選)
6月2日(日)申込締切

■注意事項
雨天の際はテント下での作業となります。長靴など足元の防水をお願いします。
応募の際は【ストーブ製作希望】【見学希望】のいずれかをお書きの上お申込ください。

※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。

先生プロフィール:
トランジションタウン小金井

トランジションタウン小金井(TTK)とは、2008年に設立した小金井市周辺で活動する独立した非営利の市民グループです。トランジションタウンは、地域自給を目指す提案・実践活動のこと。2005年秋、イギリス南部の小さな町「トットネス」で、パーマカルチャー講師のロブ・ホプキンス氏が中心となって始まりました。背景には地球温暖化やピークオイル(石油の枯渇)という地球規模の危機があります。トランジション・タウンでは地域レベルでコミュニティーを作り直し、市民の創意と工夫と地元の資源(人・モノ・コト)を活用して、自分の足元から小さな変化を生み出し、その輪を広げます。それによってレジリエンス(復元力‥竹や柳のように外からの変化や災害に強い)を高めて、ジモトで楽しく生きる。そんなしなやかさを身につける町づくり活動です。

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