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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。
これまでの授業レポート
2013年4月13日 (土)
鉄道に乗って「にしがわ」を感じる。第3回「多摩ニュータウン編」
- 日時
- 2013年4月13日(土)10:00〜16:00
- 教室
- 立川→稲田堤→橋本→町田→唐木田→多摩センター→立川
- 定員
- 13名
- 授業料
- 無料(ただし、電車代1560円+昼食代1000円程度は実費)
- 先生
- 今田保
- 授業コーディネーター
- 佐藤泰輔
【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。
3回目となる鉄道の授業。半年に1回のペースで、にしがわの鉄道に乗って、地域と公共交通のあり方を考える試み。毎回、新しい発見があり、鉄道好きじゃなくても充分に楽しめる内容になっています。今田保先生の長年にわたって鉄道と地域との関係を見つめてきた視点は明確でいつも勉強になります。
第1回は、八王子駅と新宿駅を、行きは京王線、帰りは中央線で、東京を東西に往復しました。第2回は、国分寺駅から本川越駅まで行って、もどってくる西武線のちいさな旅のような授業。そして今回のテーマは、「多摩ニュータウン」。40年ほど前にできた多摩ニュータウンをめぐる鉄道を乗り倒し、その意味を考え、みんなで話し合いました。
朝10時に、立川駅に集合。まずは、今田保先生から資料が配られ、説明があります。いつもながら、歴史を踏まえた鉄道への愛があふれる内容に、参加者一堂、今田ワールドに引き込まれていきます。予定の時間をオーバーして、ようやく出発しました。
まずは、南武線に乗って稲田堤駅へ。駅と駅が離れているので、京王線への乗り換えのため商店街を通ります。違う鉄道会社の駅が離れていて歩かなければいけないのは不便だけれど、今回の授業の日は、天気もよかったせいか、乗り換えで数分歩いたのは、むしろ新鮮で、途中でたいやきを買い食いしていた人もいました。実は、今回の授業コーディネーターの佐藤泰輔さんは、数ヶ月前まで、稲田堤の駅と駅に住んでいたらしく、駅周辺についての話も聞けました。
次は、京王稲田堤から京王相模原線で、多摩センター駅を通過して、橋本駅へ。いつものように、一番先頭の車両で運転席の後ろからかぶりつきで立ったまま、先生の話に耳を傾けます。京王線が調布からどうして多摩センターに線をのばすようになったのか。多摩ニュータウンから都心へ向かう通勤の足がどのようにできていったのか興味深い話が続きます。
休むまもなく、橋本駅から横浜線で町田駅へ。横浜線の成り立ちを電車の中で聞きいたあと、町田駅では、乗り換えで駅周辺の活気のある商店街を散策。どうやって町田駅周辺が発達してきたのかなど歴史的な変遷を聞きました。そして、なんと今回の授業の参加者に、元小田急線の社員がいて、町田駅の駅員として勤務していたとのことで、当時の様子も聞ける貴重な機会になりました。
さらに、町田から小田急線で新百合ケ丘駅へ。新百合ケ丘駅で小田急多摩線に乗り換えて、ふたたび多摩センター駅を通過して、終点の唐木田駅へ。ここでは、今回の授業のハイライトである多摩センターへ。平行して走る小田急線と京王線を同じ都心の方向から乗り比べるという不思議な体験をします。
終点の唐木田駅で下車して、すぐ先の電車庫を見学。ふたたび唐木田駅から乗車して、ひと駅戻り多摩センターへ。30分ほど予定を遅れて、ようやく目的地の多摩センター駅に降り立ちました。多摩センターは、京王線と小田急線の駅が仲良く並んでいて、ニュータウンへと向かう大きな歩道があります。歩車道分離の計画として、公園も整備され、住環境としては申し分ないニュータウン。高度成長期の住宅不足のおぎなうためにでき、京王線、小田急線の2線で都心へ通勤客を運ぶ壮大な計画を象徴するような駅の姿です。
駅から歩道をのぼり、パルテノン多摩へ。階段をのぼり上にあるレストランへ。なんとこのレストランは、食堂車をイメージしているという鉄道の授業にふさわしい場所。参加者は、ニュータウンにまつわる鉄道で頭はいっぱい、おなかペコペコの状態。まずは、腹ごしらえしてから、あらためて自己紹介。その後、先生を中心に、それぞれおもいおもいに、ニュータウンと鉄道の関係について話をします。そして、話は広がり、鉄道と地域の関係がどうなったらいいのかなど、地域のことを考えるにわ大らしい方向になっていきます。
最後は、多摩センター駅から、多摩都市モノレールで立川北駅へ。山間の空中を走るモノレールは、まるで遊園地のジェットコースターを思わせるようなところもあり、上空から見るにしがわエリアを堪能しました。にしがわを縦に結ぶモノレールは貴重で、今後の多摩の発展にはかかわせないものであることを感じました。
JR南武線、京王相模原線、JR横浜線、小田急小田原線、小田急多摩線、多摩都市モノレールの6線。そして、立川駅、稲田堤駅、橋本駅、町田駅、新百合ケ丘駅、唐木田駅、多摩センター駅と7駅の周辺を見てまわった盛りだくさんの1日。多摩ニュータウンを中心にして、多摩エリアの南側をぐるっとまわった今回の鉄道の授業。まだまだ消化できていませんが、これから、東京のにしがわがどうなっていくのか。いろいろと考えさせられる内容でした。
最後は、希望者で、立川で飲み会。鉄道をさかなにおおいに盛り上がり、新しいつながりができました。次回は、9月に第4回の鉄道の授業も計画されているようです。
萩原 修
■テーマ
入居開始から40年以上が経ちますが、住民以外ではなかなか多摩ニュータウンを訪れたことがない方も多いのではないかと思います。かつての計画と街の現状を見たうえで、今後の多摩ニュータウンは、そしてそこをめぐる鉄道はどのような方向に向かうのかを考えます。
■対象者
鉄道好きな人、多摩ニュータウンに興味のある人、住んでいる人、住んでいた人
■授業について
キーワード
1.多摩ニュータウン
2.ニュータウン鉄道
3.都市開発
今田先生の話を聞き、今まで見えていなかった「にしがわの風景」と「鉄道の魅力」を再認識する小さな旅のような授業です。
参加者のみなさんの要望も聞きながら、時には、暴走したり、脱線したりと楽しい1日を過ごしましょう。
■授業の流れ
- 10:00
- JR立川駅グランデュオ入り口付近集合・説明
- 10:20
- JR南武線乗車
- 10:45
- 稲田堤駅下車・商店街散策と乗換
- 11:00
- 京王相模原線乗車
- 11:30
- 橋本駅下車・乗換
- 11:40
- JR横浜線乗車
- 11:50
- 町田駅下車・駅周辺散策と乗換
- 12:10
- 小田急小田原線・多摩線乗車
- 12:50
- 唐木田駅下車・駅周辺散策
- 13:10
- 小田急多摩線乗車
- 13:15
- 多摩センター駅下車・駅周辺散策と昼食
- 15:30
- 多摩都市モノレール乗車
- 16:00
- 立川北駅下車・解散
■持ち物
カメラ、筆記具を必要に応じて用意してください。
■定員・締切
13名(応募者多数の場合は抽選)
4月6日(土)申込締切
■注意事項
Suica等のIC乗車券をお持ちの方はあらかじめチャージしておいてください。
※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。
先生プロフィール:
今田保(公共交通アナリスト)
1947年9月生まれ。1971年4月-1976年12月、月刊誌「鉄道ピクトリアル」編集部勤務。その後は、1977年8月設立の出版社「ジェー・アール・アール」において、鉄道書刊行の業務とともに、鉄道、航空、高速バス、カーフェリーなど、広く公共交通機関の取材を続け、そのあり方を考え続けてきた。そのあり方とは、「誰もが、いつでも、どこへでも自由に移動できることか」と。なお、日本の鉄軌道は、JR・私鉄の全路線を1992年12月5日に、日本の空港は、離島も含めて1998年12月5日にすべて制覇。その後も毎年タイトル防衛中。このほか、高速国道や主要航路もほぼ制覇。ロープウェイもスキー場専用以外はほぼ制覇。海外取材は米欧亜など計7回ほど。「交通」ほか「都市」「流通(商業環境)」「観光」をも調査対象としている。
所属:鉄道史学会、産業考古学会、鉄道史研究会、交通研究会、交通ライターの会、日本鉄道文学研究会