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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

これまでの授業レポート

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2013年1月21日 (月)
蓄音機体験 - 78rpmの世界 -

日時
2013年01月21日(月)20:00〜22:00
教室
BRUT(ブリュット)
所在地
立川市曙町2-12-15 立川水金ビル2F/立川駅北口徒歩1分
定員
15名
授業料
無料(但し、お店でのワンドリンク代として800円)
先生
佐藤 隆俊(さとう・たかとし) HMV101&102/SPレコード演奏家・写真家
授業コーディネーター
西川 義信

【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。

スタートは遅めの20:00から。
参加者の皆さんは各々ワンドリンクを片手に着席していきます。

BRUTはワインと漬け込みハイボールがオススメのお店です。
活気のある夜の洋風居酒屋の雰囲気と蓄音機のレトロなビジュアルが何だか
ぴったりでした!


〜授業開始〜

授業コーディネーターの「乾杯!」から授業がスタート。

今回の先生は佐藤隆俊先生です。
写真家として活躍される一方でphonographerとして蓄音機の音を広める活動をされています。10年前に蓄音機の音を聴いてショックを受けてそのとりこになったとのこと。
先生のお話から、蓄音機演奏への期待がますます高まりました・・・。

※以下、「」内は演奏された曲目です。時系列に記載いたします。
※(マメ知識)は先生のお話です。


「美しく青きドナウ /  ヨハンシュトラウス」1950年
BLUE DANUBE / ANDRE KOSTELANETZ&HIS ORCH.

一曲目はクラシックでスタート!
タイムスリップしたような音とものすごい臨場感。
参加者の皆さんもちょっとびっくりしたような表情をされていました。


SPレコードは、大きなレコードにたった一曲だけが録音されているそうです。
そのレコードが入っている大きなジャケットも非常におしゃれで、一つのアート
作品のようです。
音楽のみならず、視覚でのジャケット鑑賞も含めて全てでその曲目を楽しむことが
できます。

(マメ知識:CDアルバムとは?)
音楽CDのことを「アルバム」という言い方をしますが、これは元々
写真のアルバムからきていて、いくつかの曲が入ったものをまとめたもの
(一曲ずつ録音された何枚かのレコードを写真アルバムに似せた本という形で
発売した)に由来するそうです。

「春の小川」唱歌 1947年
昭和の終戦直後の子供の声が何ともノスタルジックな雰囲気でした。


〜リクエストタイム〜

参加者の手元には曲目リストが配られましたが、これはこの日に先生が用意されてきた
SPレコードとのこと。
この中から好きな曲をリクエストできることになりました!
しかもリクエストをした人が実際に蓄音機のゼンマイもまくことができるのです。

「タキシードジャズ / グレン・ミラー」1946年
Tuxedo Junction / GLENN MILLER

(マメ知識:蓄音機の仕組み)
蓄音機は電気を使用していないわけですが、一体ボリュームはどのように
調節するのでしょうか。それはなんと使用する針の太さで調節するのだそうです。
目安として細いものが弱い音、太いものが強い音。
針は一曲ごとに変えていくものだそうで、そのために一回一回の演奏が
より生々しいライブ感のある音になるのかもしれません。

当時のSPレコードは一発録音で音を録っているので
息づかいや生のライブ感が段違いに迫力をもって感じられるのです。


「月の砂漠」唱歌 1937年
「オンリーユー / ザ・プラターズ」ポップス 1955年 ONLY YOU / The Platters
「チゴイネルワイゼン」クラシック 1930年 
 ZIGEUNERWEISEN / EFREM ZIMBALIST
この1930年のチゴイネルワイゼンはかなりアレンジをきかせた演奏で
非常にレアな音でした。

「パダム パダム / エディット・ピアフ」シャンソン 1948年
PADAM PADAM / EDITH PIAF
ピアフがすぐそばで歌っているかのようでした!
「言い訳はやめて / ビリー・ホリデー」ポップス 1945年
Don't Explain / BILLIE HOLIDAY

ここで授業コーディネーターからのリクエスト。
今日のリストの中で、一番古いレコードを聴いてみたいとのこと。
1915年録音 SANTA LUCIA(サンタルチア)ENRICO CARUSO歌が
かけられました。

(マメ知識:蓄音機の音を聴くと眠くなる??)
蓄音機で音楽を聴いているとけだるくなったり、眠くなったりするそうです。
それは音にノイズが入ってるため、脳が主な音とノイズを聴き分けようと
いつもより労力を使うのだそうです。
聴き終わった後、心地よい疲労感があり夜もぐっすり眠れる・・・というのが
蓄音機鑑賞の醍醐味でもあります。

(マメ知識:HMVの由来)
蓄音機に耳を傾けるビクターのマークで有名な犬のニッパー君。
蓄音機から流れる亡くなったご主人様の声にびっくりして首を傾けてるカワイイ
絵柄が有名ですが・・・
大型CDショップのHMVは、このご主人様の声「His Master's Voice」の頭文字
H・M・Vから由来しているそうです。


「アベ・マリア バッハ 」クラシック 1914年
JOHN McCORMACK FRITZ KREISLER 演奏
「You Won't Be Satisfied」ジャズ 1946年
ELLA FITZGERALD & LOUIS ARMSTRONG 1946年

ラストの曲は
「スターダスト  アーティー・ショー・オーケストラ」1940年
Star Dust / Artie Show & His Orch.

(マメ知識:もし蓄音機を買いたければ・・・)
蓄音機は神田、神保町界隈では6万から15万円程度で購入することができるそうです。
蓄音機用のSPレコードはおよそ1,000円から2万円程度のものまで幅広く取り扱いが
あるそうです。
ひょっとしたらお祖母ちゃん、お祖父ちゃんの家で今は聴けなくなって
眠っているSPレコードがあるかもしれません。
引っ張り出して聴いてみるのも新たな世代間の交流のきっかけとなって
楽しいかもしれませんね。


〜感想タイム〜

最後は参加者の方たちに、一言ずつ感想を伺いました。(以下抜粋)

・初めて聴きました。生の音でビックリしました。
つややかであたたかい音に感じました。
・電気を使わないのにこのパワーというのがとても不思議です。
・昔の映画の中に入ったみたいでした。
・ノイズも気持ちが良かったです。
・想像以上の音でした。もうデジタルは聴けなくなるかも・・・。
はまりそうです。
・CDとは違う音質でした。また聴きたいです。
・うとうとと眠くなってしまいました。
・ipodとは違う音でした。娘に聴かせたい。


〜授業レポーターの感想〜

音楽が大好きな私は何日も前からこの授業を楽しみにしていたわけですが
実際に蓄音機の音を聴いて、その臨場感と生きた音に圧倒されました。
今、音楽を聴く時それは大半がノイズのない音、リマスターされた
後から作られた音だと思います。それはそれで表現の一つとして様々な面白い音や
感動する音を楽しむことができるかもしれません。
しかし、蓄音機で体験できる音は削ぎ落とされたり、加工されていない本当の生の音です。
食べ物でいえば、添加物が加えられた保存のきく食品と、泥のついた有機野菜・・・
というような違いでしょうか。
今の時代は音楽に限らず何でも手軽に、必要以上にきれいになりすぎているのかもしれません。
蓄音機で音楽を聴く時は、大きなレコードをセットして針を一曲ごとに変え
ゼンマイをまいてジャケットを眺めながら楽しみます。
例え同じ曲を聴くのでも、ネットからすぐにダウンロードして、ipodで楽しむのとは、
全く違う味わいでしょう。
あえてノイズを聴くという楽しみ方を知る、こんな体験ができてとてもラッキーでした。


■テーマ
デジタル音源あふれる日常とは一味違う蓄音機の音楽に耳を傾け、その歴史と風俗を垣間見る。

■対象者
・蓄音機の奏でる音楽に耳を傾けたい人
・およそ100年前のレコードを聴いてみたい人
・柔らかい音楽にこころ癒やされたい人
・ノスタルジーに浸りたい人

■授業について
<蓄音機とSPレコードについて>
音は振動です。それは、発した瞬間に消えていく、はかない運命。

しかし、1877年のこと。「あの曲を」、「あの人の声を」、「あの教会の音をもう一度」という想いで
エジソンが発明したのが蓄音機です。

それは、「一瞬」が「永遠」に変わる、大発明でした。

その後、円盤型のレコード盤が生まれたことにより「音」は大量生産が可能となり、録音された音楽は世界中を駆け巡るようになりました、そして、いまや音はデジタル化され、iPodや携帯電話で簡単にどこでも再生できるものとなりました。

そんな今だからこそ、世紀の発明品から音が出た驚きを、一緒に追体験してみませんか?
そこに封じこめられた一瞬の空気、温かくて優しいアナログの音の魅力を伝えます。

・SPレコード盤(78rpmレコード盤)について
LP(33.1/3rpm) EP(45rpm)より速い、78rpmで再生します。
酸化アルミニウムや硫酸バリウムなどの微粉末をシェラック(カイガラムシの 分泌する天然樹脂)で固めた混合物を主原料としており、針圧が120g前後の鉄針のトレースに耐えられる硬度を持つ一方、非常にもろく落下や衝撃に大変弱い。プラスチック素材(ヴァイナル)のレコード(EP、LP盤)が主流になる、1950年代後半まで生産された。1950年?59年は、SP、EPのレコードが併売されていた。
 現在も、神田神保町のレコード店で扱われています。

<今回使う蓄音機は1936年、イギリス製蓄音機HMV102>
ケースは、マホガニーでつくられていて、針で捉えた振動はサウンドボックスという、ジュラルミン製薄膜で拡大し、さらにブリキで作られたホーン状の管を通してさらに音を大きくします。
動力は、手回しぜんまい式。音は管楽器のようで。電気を一切使いません。
針は、鉄の針を使用します。ガラス質のレコードをトレースするので、針のほうが磨耗します。2曲ごとに針は交換します。(針は研げば再利用できますし、リサイクルできます)
針は現在も販売されています。
 パーツなどはイギリスの愛好家クラブが製造していて入手できるので、壊れても修理できます。

※持参するSP盤は、みんながどこかで聴いたことがある、童謡、唱歌、を中心に、エディット・ピアフ、ビリー・ホリディ、グレンミラーなど、を予定しています。
※78回転SP盤レコード持込大歓迎です!

<蓄音器演奏会をこんなところで開きました>
シブヤ大学で〜ケアコミュニティ・原宿の丘 ?
海岸で〜葉山一色海岸の海の家「海小屋」
丘で〜町田市小山田緑地公園でピクニック

シャンソンライブハウスで〜青い部屋でシブヤ大学授業古民家で〜世田谷区「岡さんの家」コミュニティハウス、クリスマスコンサート
ホテルで〜ホテルニューオータニ、帝国ホテルでのお正月イベント

洋館で〜横浜市港の見える丘公園?山手111番館

下町の商店街で〜荒川区の熊野前商店街で
上野のオーガニックレストランで〜ディナー&蓄音器
高円寺 DAM倶楽部にて定期蓄音器講座
他、お寺の本堂で、ギャラリーやアトリエなど ブログ「物食日記

現在、神宮前のBar緑にて、月二回ほど「蓄音器ナイト」を開催中です。

■授業の流れ
19:45
受付開始
20:00
授業開始、蓄音機の音体験
21:15
持ち込みレコード視聴
21:45
参加者感想
22:00
授業終了

■持ち物
筆記用具
SPレコード盤(78rpm)(希望者)

■定員・締切
15名(先着順)

■注意事項
※学生登録してからお申し込みください。
※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずにご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。

先生プロフィール:
佐藤 隆俊(さとう・たかとし) HMV101&102/SPレコード演奏家・写真家

1953年兵庫県宝塚市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。
コマーシャル写真事務所を経て1995年独立。佐藤写真工房を主宰。カメラ・時計など金属の質感やメカニズムの硬質な静物写真を得意とし、共同著作に「愛しのハッセルブラッド」「ライカのしくみ」(グリーンアロー出版社)「ライカ症候群」(青林堂出版)などがある。
2004年に蓄音器の音にかつてない衝撃をうけ、SP盤レコードの音と、手回しポータブル蓄音器HMV101/102の魅力を多くの人に知ってもらうため、布教活動を個人的にしている。
不定期ではあるが、蓄音器コンサートも開いている。
シブヤ大学の講師でもある押忍!手芸部部長のもと、シニア部・親瓶(おやびん)として部活も活動中です。
Facebook 蓄音機演奏家(Phonographer):http://fe.gd/3cq
シブヤ大学授業コーディネーター:http://www.shibuya-univ.net/
東京にしがわ大学職員:http://www.tokyo-nishigawa.net/

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