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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2012年11月11日 (日)
"多摩だるま"を知ろう!楽しもう!-だるま絵付け体験-(瑞穂町)

日時
2012年11月11日(日)9:30〜12:00
教室
瑞穂町ふれあいセンター
所在地
西多摩郡瑞穂町石畑2008番地
定員
10名
授業料
無料(ただし、材料費・だるま代として1,800円)
先生
根岸利夫
授業コーディネーター
芳賀羊介、芳賀弥咲、古川ゆかり

【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧ください。

こんにちは、新米スタッフのK子です。(^ー^)/
今回のテーマは瑞穂町に伝わる"だるま"。絵付け体験を通して"だるま"を学ぶ・楽しむという授業。
集合場所の箱根ヶ崎駅構内には「東京だるま」の展示もありました。参加者は女性が多く、集合時から和気藹々。教室のふれあいセンターまでの徒歩移動も遠足気分。

授業はコーディネーターの挨拶に始まり、だるまについての雑学、先生の紹介。
先生役を引き受けて頂いた根岸利夫さんは職人歴60年以上の大ベテラン、現在も奥様と三代目の息子さんの家族3人でだるまを作り続け、82歳の今もだるま市には売り子として立つ。
参加者は一般応募で当選した生徒さんに加え、スタッフを含めて女性11人男性2人が絵付けに挑戦。自己紹介では笑えるダルマが作りたい人、3つの願い事があるという人や自分の結婚式に使うオリジナルだるまが作りたいという人も!!

全員でひとつのテーブルを囲み、絵付けの説明を受ける。まずは"墨"(眉やヒゲの黒い部分)。先生はヒゲを描きながら「これはオレ、苦手なんだよなぁ」と苦笑い。普段は家族で手分けして絵付け、それぞれに得意な部分があるらしい。職人らしい年季の入った手指が繰り出す軽やかな筆遣いには迷いが無い。じっと見つめる参加者たち、息づまるような緊張感。静寂の中シャッター音だけが響く・・・。
先生の模範実演のあと、筆が配られ紙の上で練習。墨汁のような容器に入った塗料は・・・ただの墨汁じゃないですね。被覆力が強く伸びがいい塗料。始めはとまどっていた生徒さんたちも描きすすめるうちに、なごやかなムード。皆さん個性がでますね?。
私は応援するサッカーチームの優勝を祈念しての必勝ダルマ。顔は監督をイメージ。太い眉、眉間のしわ。ヒゲは不精ヒゲっぽく・・・。
下書きでイメージができたら本番! だるまを手に取り筆を握りなおす。最初の一筆を入れるまでの緊張感。神経を集中して息を止めて・・・ 平面上での下書きと立体に描くのは違う。左右のバランス、スペースの使い方、目や口との位置関係。繊細に、大胆に。
男性参加者2人のだるまが、なんだか妙に可愛らしいく微笑ましい。女性陣は結構大胆ですよ?。眉を描くのは毎日のお化粧で手慣れたものか?
続いて"金びき"。金色の塗料でボディに文字を入れたり、線で飾る。先生の模範実演。手元を近くで見ようと(撮影しようと)参加者が席を立ち見やすい場所に移動。「誰もいねえ?」いえいえ、みんな後ろで見てます!
根岸家のだるまは通常"福入"と書き入れる。先生がコツを伝授「ここんとこを、チョンといって、チョンチョンとやって、シュっと。ここはクルっとこう・・・・」この境地、ベテラン職人の言うことは違うなぁ。教室がどよめく。
背面に自分のサインを入れたり日付を書くのもいいね、とアドバイスをいただく。
筆を一旦集めて洗い、金びきに使う。塗料は・・・ 少しシンナー臭がする。「金はすぐおどむんだよ」金泥をシンナー溶剤で溶いているのかな?「噂では松脂とかなんとかでできてるらしい」と先生。企業秘密なんですね?。
紙の上で練習して、本番。私は真ん中に"必勝"と書き込む。先生のように一発で決まらずちょこちょこと手直ししてバランスをとっていく。揮発性が高く、皿に入った塗料が固くなっていく、途中薄め液を足してもらいながらの作業。背面にはスペイン語で「Vamos Campeon!(優勝するぞ!)」と入れてみました。自分のサインと年号も付け足す。

絵付け作業終了。乾くのを待ちながら、ひとりひとり作品披露。書き込んだ文字もお手本通りの"福入"だけでなく"縁""笑""仏""だるま"、さらにはスペイン語、英語、ペルシャ語まで! 丸文字もかわいい♪ それぞれに思い入れが伝わってきます。

ここで、絵付け以前の製作工程の説明。
(1)木型に紙を二重に貼る、下は張り子紙(埼玉県小川町で生産)上は新聞の巻き取り紙。
(2)乾燥させてから型を外して貼り合わせる。
(3)底におもりとして"土"(円盤状に固めたもの)を接着剤で貼る。
(4)白い下地を塗る(胡粉を膠で溶いたもの)。
(5)全体に赤い塗料をコンプレッサーで吹き付ける。
(6)顔部分の白を筆塗り。
(7)"化粧"(目の周りのオレンジ色(吹き付け)、金彩(筆描き)、紅で口を描く)を施す。
この後が今回体験した絵付け工程。

塗料が乾くのを待つ間、先生のお話を聞く。7人兄弟の長男として幼い頃から手伝いばかり、戦後物資が無かった頃はとにかく良く売れ、リヤカーに積んで運んだだるまが残らず売れたそうです。今はカラオケが趣味で町内会でも頼りにされ、お祭りでも活躍。仕事だけでなく、外の人とも積極的に関わりたいという。今回講師を受けて頂いたのも「にしがわ大学のためで無く自分のため」という言葉が印象的でした。

最後は恒例の集合写真撮影。仕上がっただるまさんも机に並べて撮影会♪
楽しかったですね?♪ スタッフの私がこんなに楽しんじゃっていいのかしらん?(^ー^)

お正月は各地の神社や市にだるまが並ぶ時期。根岸家のだるまが欲しいという方は、近隣のだるま市に足を運んでみてください。根岸先生にお会いできるチャンスですよ?!

だるま市日程: 1月02日 拝島大師
        1月12日 青梅だるま市
        1月28日 高幡不動


■テーマ
瑞穂町に伝わる"だるま"の歴史を紐解き、絵付け体験を通して"だるま"を学ぶ・楽しむ

■対象者
"だるま"古来の習わしに興味のある人
民芸品に興味のある人
絵付けなど工作が好きな人
願掛けをしたい人
地域の歴史に興味がある人

■授業について
だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ
みなさんご存知の「だるまさん」。
日本では、起き上がり法師と言われ、縁起物の"だるま"に願いを込める風習があります。

実は、だるまはにしがわとも深い繋がりがあるのをご存知でしょうか?
正式名称は、多摩だるま(東京だるま)といい、立川や青梅などを中心に多摩地域の職人さんが作っています。なかでも盛んなのが瑞穂町。
その瑞穂町で大正時代から続く、伝統のあるダルマ職人、82歳の根岸利夫さんが今回の先生です。

ギョロっとした眼、真一文字に結ばれた口と長いひげ。
一見すると同じように見えますが、すべて職人さんの手作りだから形・表情も様々なんです。

今回、皆さんには、特別にだるまの顔を絵付けしていただきます。
自分なりの表情。自分なりの願いをこめて。自分だけのだるまさんを作りましょう。
作った「だるまさん」はお持ち帰りいただけます。
部屋に飾るもよし、特別な人へのプレゼントにも素敵ですよ。

だるまとにしがわの関係とは...。
大正時代から伝わる型でつくられるだるまの伝統とは...。
そんな「多摩だるま」を学びつつ、絵付けを楽しむ授業です。
世界にひとつのだるまさん。あなたは、何を願掛けしますか?

■授業の流れ
09:30
JR箱根ヶ崎駅集合 教室へ移動(到着後、受付)
10:00
はじめに 自己紹介
だるまについて
"だるま"とは?
"瑞穂だるま"とは?
"だるま"はどうやって作られるの?
10:30
だるま絵付け体験
11:30
質疑応答 まとめ
絵付けした"だるま"と一緒に記念撮影
12:00
終了

■持ち物
筆記用具、ダルマを入れる袋

■定員・締切
10名(11月5日申込締切、応募者多数の場合は抽選)

■注意事項
絵付け体験があります。汚れてもいい服装でお越しください。
※学生登録してからお申し込みください。

先生プロフィール:
根岸利夫(ねぎしとしお)

1930年生まれ。2代目として15才で家業の「だるま」作りを始め、キャリア60年以上の大ベテラン。戦後の大変な時代から平成まで、だるま作りを通して瑞穂の街、だるま市を見続けてきた。現在は三代目の息子さんと一緒に根岸家の「だるま」を守っている。

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