05 授業に参加

トップ > 授業に参加 > 1/100で考える暮らしと仕事(埼玉県狭山市)

誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

これまでの授業レポート

授業一覧

2012年11月10日 (土)
1/100で考える暮らしと仕事(埼玉県狭山市)

日時
2012年11月10日(土)13:30〜16:00
教室
狭山市 柏原中学校 美術室
所在地
埼玉県狭山市柏原2520-11
定員
32名(大人16名、中学生16名)
授業料
無料
先生
寺田尚樹(建築家・デザイナー・モデラー・料理研究家)
授業コーディネーター
萩原修

【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。

大人とっては懐かしい「場所」、中学生にとっては馴染みのある学校の「美術室」。
穏やかな小春日和に、埼玉県狭山市立柏原中学校で、東京にしがわ大学の授業が行われました。

まず、座席は、4人一組で、中学生と大人が半々になるように着席していただきました。

恒例の自己紹介では、中学生と大人ともに将来の夢について語りました。
「科学者になりたい」「映画関係の仕事に就きたい」など夢を語る中学生の話を、
多彩な職業や年齢層の大人たちが、微笑みながら聞いている様子がとても印象的で
和やかな雰囲気です。

いよいよ「寺田先生」の講義が始まりました。
中学の生徒さんと大人の学生さんが、教卓の先生に注目です。
まず、「テラダモケイ」が誕生したいきさつや、製品としてどのような展開をしているのかを
映像や製品を使って説明されました。
さらに、デザインするとは
「誰かと気持ちを共有することである。僕が楽しいと誰かも楽しい。それを、この小さな紙で表現していきたい。」
と語ってくださったのが心に残りました。

さて、ワークショップの始まりです。
『相席になった大人2人、生徒2人。あなたたちは、家族です。その家族が、どんな家に住んで、何をやっていますか?
ここにある100分の1のいろんな住宅の設計図の上に、自分の好きな添景セットのパーツをのせて、家族で情景を作ってください。』

用意された設計図は、4種類。
ワーズワース邸・コルビジェの住宅・安藤忠雄の小さな家・某住宅会社の住宅
用意されたテラダモケイは、6種類。
動物園編・東京編・オープンカフェ編・住宅編・街路樹編・オーケストラ編

それぞれの家族は、よく話し合って好きな住宅と添景セットをそれぞれに選びました。
街路樹編はパーツが工夫しにくいので、人気がないかと思いきやあえて選ぶ家族が出てきたり、
新製品のオープンカフェ編がかなり人気が高かったりと、予想できない展開が次々と起こります。

選んだ後
今度は寺田先生より、この添景セットの作り方のレクチャーがありました。
カッターの使い方・ピンセットの使い方・関節の曲げ方などなど・・・
黒板を使った講義は、ますます学校の授業のように熱く展開していきます。
「まず、どういうシーンを作るかを相談してください。一人一人の関わり方をデザインしてもらいたいので」

それぞれのテーブルで、制作が始まると、どの家族も夢中になって制作に集中していました。
1時間という時間でありましたが、どの家族からも笑い声や会話がこぼれました。
中学生と大人が会話をすることは、このような設定でないと経験できません。
初めはぎこちなかった仮の家族が、だんだん打ち解けてくる様子が伝わってきました。

最後に行われた鑑賞会では、それぞれの家族がタイトルとともに、
この情景はどのような物語をもっているかをみなさんの前で発表しました。
「犬が子供を産んだパーティーで大騒ぎ」「いらっしゃいませ「ひびき」」「10年ぶりの帰宅」
「人が集まる家」「希望あふれるレストラン」「森の中にある秘密のレストラン」「僕たちの日常」

小さな世界を自分たちで創造するという共有感が、
大人たちだけでも中学生だけでもできなかった面白い情景をそこに生み出していました。

中学生の感想の一部です。
「レゴブロックみたいで楽しめました。いろんな人と話すことができて楽しかった。」
「ふつうは体験できないようなことをたくさん体験することができて参加してよかったなあと思いました。」
「一緒に家族になったと人の輪が広がり、ほかの班でもいいところを見つけあえて、よい体験ができた。今まで知らなかった人とかと合えてまた一人友人ができたような感覚になりました。」

今回の授業では、
「テラダモケイ」というアイテムを使って、情景を作るワークショップにとどまらず
異なった世代を組み合わせて、新しい気持ちと空間を生み出すことにもなったと思います。

むろいまみ


 


■テーマ
建築家の仕事、家族の暮らし

■対象者
建築やデザインに興味にある中学生
建築やデザインに興味のある大人

■授業について
建築家の寺田尚樹さんは、こどもの頃からプラモデル好き。
今でも夜な夜なつくり続けています。
そんな寺田尚樹さんが仕事で使うために「1/100建築模型用の添景セット」をつくったのをきっかけに2011年にはじまった「テラダモケイ」。
モノの縮尺からディテールを考え、造形の可能性を探り、模型を組み立て想像する楽しさを伝えていく活動を続けています。

今回の授業では、そんな寺田尚樹さんの建築家としての仕事の話を聞くとともに、「1/100建築模型用添景セット」を使い、中学生と大人が数人で疑似家族になって、家族の風景をつくり発表します。

建築家の仕事とは何なのか、
それぞれが考える暮らしと仕事から何が見えてくるのか。
ここから、今まで気がつかなかった世界がはじまります。

■授業の流れ
13:00
受付開始
13:30
はじめに
13:35
寺田尚樹さんの話
14:00
チームごとに家族の風景ワークショップ
15:00
チームごとに発表
15:30
質疑応答、まとめ 記念撮影
16:00
終了

■定員・締切
32名(大人16名、中学生16名)申込先着順

■注意事項
※学生登録してからお申し込みください。

先生プロフィール:
寺田尚樹(建築家・デザイナー・モデラー・料理研究家)

67年生まれ。89年明治大学建築学科卒業。94年英国建築家協会建築学校(AAスクール)ディプロマコース修了。03年テラダデザイン一級建築士事務所設立。11年テラダモケイ設立。

授業一覧