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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2012年8月25日 (土)
緑の中で"いごこちのいい場所"を探す(日の出町)

日時
2012年08月25日(土)09:00〜17:00
教室
古民家・滝本
所在地
日の出町
定員
20名
授業料
無料(ただし、滝本使用料、昼食代、保険料として1,000円)
先生
栗林 賢(くりばやし さとし)
授業コーディネーター
芳賀弥咲、山田弘美

【授業レポート】>
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。

それは、暦では処暑も過ぎたのに、暑さが全く収まる気配のない快晴の土曜日の朝...。
武蔵五日市駅集合から始まった、長くて短い夏の1日の始まりでした。

■集合→滝本まで
サキちゃん以外のコーディネーターとスタッフは8時半に集合。みんな時間厳守でいい感じです(特に要注意だったのは私です...)。

生徒さんは9時集合ですが、電車の数が少ない場所。
早めに生徒さんが集まり始めます。電車の数が少ないため、一度に生徒さんが受付に。会計、出欠、名札記名を、受付スタッフ二人で行いました。最初は準備がし終わらない状態だったので少し手間取りましたが、基本的には問題ない人数配分。小銭などのおつりがでないという設定も良かったです。

初めて参加の生徒さんが多かったので、生徒さん同士も知合いではありません。参加者の輪がどうしても大きくなります笑。じゅんパパが話しかけてなごませていました。さすがです。でも参加者の人数的に、他のスタッフ達ももっと話しかけに行った方が良かったかもしれませんね。手が回らなかった部分もあるかもしれませんが。。

スケジュールを変えてしまうような遅刻者もおらず、最初から遅刻の人を除き全員順調に参加!これには驚きました。また男性の方が多かったのも驚きです。そのときお話を聞いた男性参加者の声です。
「早めに学生登録していたけれど、今まで特に出たい授業が無かった。今回は行った事ない場所だった点と、何をやるのか判るようで判らない内容が面白そうで参加した」
ふむふむ、男性は案外内容が予測しきれないようなものが好きなのでしょうか...。

滝本までのバスはほぼ貸し切り状態。バス停から滝本までが思った以上に遠かったという声はあったようです。
それでも全員で歩きながら、会話をしつつ滝本まで向かいました。林に囲まれた細い道を上がりながら、どっぷりな自然環境の滝本への期待も高まっていたかもしれません。

■滝本にて
先生のくりさんと、飼い猫のチャーハンとタビが迎えてくれました。
この子猫二匹が可愛いのなんのって...。その後も終始参加者間をとりもち、心を和ませていたのは間違いありません。動物と子供はやっぱりすごいぞ。

まずは生徒さんへ飲み物とウェルカムデザートのあんみつを振る舞いました。
この間準備にやや手間取り、生徒さんは所在なかったかも。
もう少し配布が簡単なデザートにするか、先に滝本で準備するスタッフを増やしておくかした方が良かったかもしれません。

生徒さんがデザートを食べている間に、先生、コーディネーター、スタッフ全員で簡単なミーディングをし、当日の流れや注意点など確認します。この後の流れがスムーズになった部分や、追加の注意点など意見が出たので、心を一つにする意味でも良い時間だったと思います。

さあ、全員で和になって授業の開始です!!

先生、コーディネーター、スタッフの簡単な自己紹介の後、先生から今日の授業の内容説明です。

今日の授業は、先ずは各自自分のいごこちの良い場所を探し、一番のお気に入り場所を決める。
その後、他の参加者とペアになり、お互いの場所に案内し合う。どうしてその場所なのかを説明し、また説明を受け、共有する事を目指します。

言葉で説明する事は目的でなく、言語化はプロセスであり、言葉にするには自分の感覚に向き合う必要がある。
この自分の感覚に向き合うこと、それが大切な目的です。
また、相手の感覚を共有する事は、自分の感覚を広げる事につながります。

つまり、今回の授業は、いごこちの良い場所を探すという、最も判りやすい自分の感覚を知る事で、自分に向き合い自分をより解放してあげる、ありのままの自分を受け入れ、生きやすい環境を作ってあげる。
また、相手のいごこちの感覚を共有する事で、お互いがそれぞれの感覚を尊重し合う世界につなげて行く。その為の第一歩と言えるかもしれません。

自分の感覚に向き合う為の注意点もいくつかありました。
なんだか心地いいなとか、好きじゃないなとか、小さな素直な感覚を大切にすること。本能的な無意識を感じる事が大切とのこと。
自分自身で感覚を検閲してしまったり、ジャッジしたりせず、頭では考えず感じる事、リラックスした開いた感覚が重要なのだと。
そして良いと思う感覚、悪いと思う感覚の理由を、細かく感じ取ってあげる事で自分の感覚が掴めて行くそうです。
例えば、光、風、音、変化、開閉、色、質感、空間...、それら全ての度合い、量などなど。。他にも沢山さまざまな居心地を感じ取って行く作業が始まります。

生徒さんの簡単な自己紹介が済んだら、屋内、屋外、散り散りに自分のいごこちの良い場所探しを1時間程かけて行いました。

その間、コーディネーターとスタッフは、料理班、写真係、生徒さんと共に居心地の良い場所を探すと手分けする予定でしたが、料理のボリュームが予想より大きかったことと、料理番長のサキちゃんが遅れた生徒さんを迎えに出た事で、手が回らず、写真係のりょうちゃんも、じゅんぱぱも途中で料理チームに加わり全員総出で料理準備となりました。コーディネーターとスタッフが準備にかかる時間が多かったので、例えばコーディネーターはもう少し生徒さんと共に時間と空間を共有した方が良かったのではないかという、意見も後でスタッフの反省会で出ていましたね。

さて、おかずは4品!(ピーマンの肉詰め、茄子とミョウガの炒め物、畑で取り立てのルッコラのサラダ、かぼちゃの煮物)、塩むすび2ヶ、お味噌汁。とても立派なプレートランチになった時は感激!その上すごく美味しい!さすが料理番長、サキちゃんです!

ちなみにルッコラとかぼちゃは、土いじり隊の収穫物を頂いています。なんと今回の生徒さん以外のスタッフ側全員が偶然にも土いじり隊!食材への愛着もたっぷりです。かぼちゃの煮物は前日にサキちゃんが作っておいてくれました。
ただ、取り立て野菜は土も多く、また葉物の季節には遅いので、痛んだ部分が多く、洗うのと使える葉の選別に時間がかかってしまいました。この辺も時間が予想よりかかった理由かもしれません。

でも生徒さんにもとっても好評なランチでした!!
また、スタッフ達が料理の準備をしている様子も良かったという感想もあったとか。古民家のアットホームな雰囲気で手作り感の有る雰囲気が良かったのでしょうか。嬉しい意見ですね。

食事は各自、好きな場所で取ります。すっかり生徒さん同士でも交流が進んでいて、小さなテーブルを数人で囲んでめいめいに好きな場所で昼食をとっていました。とても和やかで穏やかな時間が流れていました。滝本のリラックスを促す環境がきっと影響していたのでは?

食事の後は、後半戦。
各自持ち帰ったいごこちの良い場所をみながら、先生がペアを決めます。
敢えて心地よいと感じる感覚が似ていない人同士をペアにして、感覚の共有と自分の感覚を広げる試みをしていたようです。
中には、と?っても遠くまで探して、遠くに好きな場所を設定した人達も居たとか。行って帰るだけで時間になってしまいそう笑。

私も、一組のペアに同行させてもらいました。
ある方のいごこちのいい場所は、家屋に近い、川の中の大きな石の上でした。
そこは、石の橋が見える場所。さわさわとした水の音、そして、小さな滝の様な川の段差、木漏れ日、木陰、水の心地よい冷たさ、風の通り道、家屋とも程よい近さ。。。とっても落ち着く心地よい場所でした。

また別の方は、滝本の縁側の前のベンチ。
見渡す一面の緑よりも、背中に緑を背負い暗いがちょうど良く、ほの暗い家の中を眺め、対壁にある窓からの明かりがきらきらと眩しく、石垣が光る様子がいごこちが良いとの事。そして涼しい風。こちらもとても落ち着く良い場所でした。
私もお二方のいごこちの良さを、ばっちり共感させて頂きました!

五感が澄んで来ているからなのか、皆さん、光の量や、音、温度など細かい部分で「ちょうどこのくらい」というのがあるのを感じました。

他の方の場所はどんなところだったのでしょうか。とても気になります。

ペアを変えて同じ事を行い、授業が終了。いよいよ終焉が近づきます。

最後は川で冷やしておいた大玉の甘いすいかをほおばり、完全に子供の夏休み状態です笑。説明を終え、お昼寝している人達もちらほらいましたよ。
相変わらず、ゆったりと、ゆるやかな、良い時間が流れてました。

最後の感想報告の中で、印象に残ったものを幾つか。

心地よい疲労感と充実感が味わえた。
その先に何があるか判らない事が好き―という事に気がつけた。
自分で自分の事を考える事と、相手の意見をシェアするその両方ができてよかった。
授業内容の良い意味での放り出し感が良かった。この授業をやろうとしたコーディネーターさんがすごいと感心した(?大学と名のつくところにはだいたい参加しているという方のご意見でした!)
自分らしさは他者との違いを受け入れる事を知った。
再出発の転機になりそう。精神的な再確認ができた。

などなど、他の方の意見も含めて一様に今日の授業をそれぞれの参加者が、満足して頂けていたようでした。それにしても、同じ授業を受けて、同じ事を行ったはずなのに、意見がそれぞれに異なっていた事はとても興味深かった。やはり人はみんなそれぞれ違うんですね。
そして、今回は生徒的参加ができなかったので、みなさんの自分のいごこちの良い場所探しをして、自分と向き合えたのがとても羨ましかった。
是非、改めて滝本へ探しに行って、みんなでシェアできたら楽しいだろうな。


■終わり
途中参加のはずだった生徒さんが都合で来れなくなってしまったという残念な事はありましたが、全員で滝本で集合写真を撮り、つるつる温泉のバス停まで生徒さんを送って行きました。大勢なので始発のバス停の方が、乗りやすいだろうという判断で。今回は、授業後つるつる温泉に参加する生徒さんがいなかったのは残念でした。
生徒さんを見送った後は時間のあるスタッフでつるつる温泉へ。1日の疲れを落とし、反省をして終了となりました。
初コーディネーターのさきちゃんとひろみちゃん、本当にお疲れさまでした!初めてだからいろいろ次に生かしたい事もあったとは思うけれど、生徒さん達の感想が物語るように、とても魅力的で素敵な授業だったと思います!!

わたしにとっても、長くて短い夏休みの1日のような、楽しく充実した時間でした。


■テーマ
緑の中でいごこちのいい場所を探す

■対象者
緑の中でゆっくりしたい人。
自分の感情を深く知りたい人。
人と感覚を共有する事に興味がある人。
古民家に興味がある人。

■授業について
教室は、日の出町の山の中にある、「滝本」。
森に囲まれ、川のせせらぎの音が聞こえる築250年の古民家で、「いごこちのいい場所」を探して、それをシェアする授業です。

"世界を感じる、感性を拓く"を提唱し、自分に合ったものごとに気付くための道具や環境のデザインを研究する栗林さんを先生に迎えます。
栗林さんは滝本に住んでいます。

午前中は、古民家の中や周りを自由に散策します。
涼しい木陰。
さらさらと音を立てて流れる川のそば。
山の見える縁側。
ごろりと寝転がれる和室。

滝本の周りは気持ちのいい場所がいっぱい。
とっておきの"いごこちのいい場所"を見つけましょう!

地元、武蔵五日市の畑で取った野菜を中心としたお昼を食べます。

午後は2人一組で、午前中に見つけた「いごこちのいい場所」を共有します。
「ここから見える山が好き!」
「聞こえてくる鳥の声がいい♪」
どこが気に入っているかをゆっくりと話しながら、午前中には気づかなかった良さを感じてみましょう。

緑の中でゆっくりしたい人。
自分の感情を深く知りたい人。
人と共感することに興味のある人。
森や山が好きな人。
古民家が好きな人。
みんなでわいわいご飯を食べたい人。

8月最後の土曜日、森に囲まれた古民家でのんびりとした1日を過ごしませんか?

■授業の流れ
09:00
武蔵五日市駅集合、バスで滝本へ
10:30
周辺の案内
11:00
滝本周辺を自由散策
12:30
お昼ご飯
14:00
他の参加者の「居心地のいい場所」を感じる
16:00
授業終了、あとかたづけ
17:00
解散
このあと、希望者と近くのつるつる温泉(大人¥800、小学生¥400は自己負担)に行きます。

■定員・締切
20名(申込先着順)

■注意事項
雨天決行です。
周囲を散策するので、歩きやすい靴、動きやすい服で来てください。また、草むらに座ったりして汚れるかもしれないので心配な方は着替えをお持ちください。
帽子や虫除け、日焼け止めはあったほうがいいかもしれません。
食べ物のアレルギーのある方は申し出てください。
バス代(片道 大人¥390、子ども¥200)は自己負担となります。
※学生登録してからお申し込みください。

先生プロフィール:
栗林 賢(くりばやし さとし)

感性開拓研究家/感性開拓コーチ。
大学講師(横浜美術大学・湘北短期大学・文教大学)。
自らが感じていることを感じる"メタ認知"の実践研究を通して、自分の声を聴き、自らを突き動かす要素に気づくことで、自分に合う/自分を高める/自分を活かす生活を創造していく生き方を探究している。
特に、環境を豊かに知覚できるようにすることをテーマとして、さまざまなツール制作や実践を行っている。

制作および実践例1 「語りカメラ」 墨東大学感覚交換散歩演習I
制作および実践例2 「感覚交換散歩」 墨東大学感覚交換散歩演習II
制作および実践例3 「自転車を用いた環境知覚促進ツール」

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