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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2012年7月21日 (土)
あなたは呉服屋の若旦那(若女将)(八王子市)

日時
2012年07月21日(土)10:00〜15:30
教室
荒井呉服店&料亭"すず香"
所在地
荒井呉服店 東京都八王子市八日町9-8
料亭「すず香」 東京都八王子市中町10-9
定員
20名
授業料
無料(但し、すず香でのお茶代として500円)
先生
橋本孝(荒井呉服店 常務取締役)
めぐみ(置屋ゆき乃恵 女将)
協力
Takatoshi Sato(写真)
授業コーディネーター
天野 洋嗣

【授業レポート】
※授業の様子はFBアルバムにてご覧いただけます。

1.午前@荒井呉服店

午前中の教室は、創業100年を迎えた東京にしがわ随一の呉服屋「荒井呉服店」。
大番頭の橋本さんから、八王子の織物の歴史、着物について学びます。

受付開始前から生徒さんが集まり始め、なんと、授業開始10分前にはほぼ全員集合。
先生の橋本さんと授業コーディネーターのあまのっち、そして生徒さんと
八王子についてのトークで盛り上がっていました。

■織物の歴史
八王子の織物の歴史は400年前にさかのぼります。
当時、毎月4と8の日に立つ市に、近隣の農家の人がそれぞれ織物を持ち寄っていました。
次第に仲介人がまとめて取り扱うようになっていきました。
八王子では縞模様の織物が多かったことから、仲介人は「縞買い」と呼ばれたそうです。
かわいい響きですね。
 
戦後には、機織を1回がちゃんと動かすと1万円儲かる「ガチャ万景気」を迎えました。
この時代、八王子の花町も活気にあふれ、200人の芸者がいたそうです。

■若旦那、呉服屋について
「若旦那」=「遊び人」ではないと知っていましたか?
「旦那」(社長)がいて、その下にいるから「若旦那」。今の専務にあたります。
その下には大番頭、番頭、小僧と続きます。

古来から、呉服屋にはさまざまな人が出入りし、近所の情報が集まる場所でした。
あそこの娘さんが何歳になったから、あそこの息子さんと結びつけたらどう?
なんていう縁談話も、呉服屋でされていたとか。

顧客の家を訪問する際、魚屋さんや八百屋さんはお勝手口から入るのが普通ですが、
呉服屋さんは正面から声をかけ、玄関から入ることができます。
以前はとびらの開け閉め、声の掛け方といった呉服屋の社員教育があったのですが、
今はそういったことを教える時代ではありません。
「若い社員がどのようにお客さまの家を訪問しているのか」。
橋本さんは心配していました。

■着物について
最後は、着物のお話。
夏の着物は「浴衣」だけではなく、「紗」や「単」があること。
着物には「格」があり、場面にあわせて「黒留め」「訪問着」などを選ぶこと。

などなど、着物のお話はとても興味深かったのですが、
それより何より出てくる着物のすてきなこと!
女性陣は、いや、男性の生徒さんも皆さんうっとりしていました。

気づいたら、もう授業終了の時間。
料亭・待合・置屋の違いや、橋本さんが初めて料亭に行ったときのお話を聞いて、
午前の授業は終わりました。


2.ランチ

今回、「八王子 SECONDO」では、授業開催日限定で「にわ大学生特典」として、
ランチを10%引きで提供してくださいました。
打ち合わせの都合上、残念ながらスタッフは訪問できなかったのですが、
行かれた生徒さんによると「とってもおいしかった」とのこと。
今度絶対に訪問します〜!


3.午後@料亭「すず香」

いよいよお座敷体験。
八王子花柳界きっての美人芸者「めぐみ」さんが先生です。

■八王子の芸者さんの生活
まずは、抹茶をいただきながら八王子の芸者さんの生活についてお聞きしました。

「Myかつら」をいくつか持っていて、本物の髪と同じように、水で洗って結いなおすこと。
踊りのほかに、複数の和楽器もお稽古していること。
さまざまな意外なことをいっぱいお聞きしたのですが、
「八王子の芸者さんの特徴は、地元に密着していることです」というめぐみさんの言葉が
最も印象的でした。

たとえば、「おじいちゃんの80歳のお誕生日だから、芸者さんを3人お願いします」といったように、
家族のお祝いや、地域のお祭りごとに呼ばれることも多いそうです。
芸者さんというと接待など「違う世界」のイメージがあったので、とっても意外でした。

質疑応答の際にお聞きしたのですが、
一度子どもを産んだあとに復職することもあるそうです。
「おもてなしの職業なんです」という言葉に、「なるほど」と思いました。

実際に踊りを見せていただいたのですが、所作が美しい!
生徒のみなさん、スタッフ一同、心を奪われていました。

■お座敷遊び
そして、お座敷遊び。
「投扇興」「金毘羅船々」「とらとら」「おまわりさん」を、みんなで体験しました。
(それぞれのやり方は、ぜひ検索してみてください!)
「お酒を飲まないでお座敷遊びをするって、不思議」とめぐみさんはおっしゃっていましたが、
お酒がなくても大盛り上がりでした。


「織物」「お座敷」というと、京都などを思い浮かべて遠い存在だと思ってしまいますが、
もっと身近な存在だったこと、
いや、今も「にしがわ」に身近に存在していることを知りました。


レポート:山田ひろみ



Photo by Takatoshi Sato



■テーマ

八王子は古来から繊維産業の活発な街で「桑の都」とも呼ばれています。そこであなたは「呉服屋の若旦那(若女将)」として、八王子の歴史や着物について学ばなければいけません。八王子の呉服屋の2代目として必要なスキルを勉強していただきます。でもあなたは呉服屋の2代目として織物の勉強をするだけでなく社交的な遊びも知っておかなければいけません。八王子中町に13人だけ残る芸者さんから「お座敷遊び」を学び、八王子の花柳界の伝統と格式、そして他の旦那衆に負けない社交性と礼節を覚えましょう。



■授業について

創業100年を迎えた東京にしがわ随一の呉服屋「荒井呉服店」
あなたはこの店の次代を担う若旦那(若女将)となっていただきます。八王子や呉服屋の歴史、呉服屋と呉服問屋、着物の種類と用途、染め物と織物、着物文化など学ぶことはたくさんあります。そして旦那衆はなぜ「遊ぶのか?」という疑問もあります。荒井呉服店の元「若旦那」の橋本さんからお話しを聞きながら若旦那(若女将)として必要なスキルを学んでいきましょう。お昼を挟んで、午後はいよいよ「お座敷遊び」です。若旦那(若女将)の社交性を学ぶ授業です。知っておけば得するちょっとしたお座敷での「お作法」や「お座敷遊び」など、八王子花柳界きっての美人芸者「めぐみ」さんからお話しを聞きながら学んでいきましょう。


■授業の流れ

10:00

受付開始(荒井呉服店)

10:30

授業開始

橋本先生による若旦那の心構え

12:00

お昼休憩(60分)

13:00

授業開始(料亭「すず香」)

めぐみさんによるお座敷作法とお座敷遊び

記念撮影

15:30

終了





■学生特典

授業開催日限定で「にわ大学生特典」が受けられるお店があります。

「八王子 SECONDO」

ランチ 10%引

『当店のピザは気軽に食べれるサイズ(20センチ)で、使用している野菜は山梨、上野原より直送の有機野菜で旨味が違います。生ハムは本場イタリア、パルマ産の物を使用しそれを店内でスライスしているので格別です。』



■持ち物

筆記用具、ノートなどを必要に応じて各自ご用意ください。



■定員・締切

20名



■注意事項

※学生登録してからお申し込みください。

※最近HotmailやGmail等のフリーメールからお申込みいただいた方で参加のお知らせをお送りすると「迷惑メール」フォルダに自動的に入ってしまい、気づかずに ご参加いただけなかった方が増えています。本授業をフリーのメールアドレスからお申し込みいただいた方はご注意ください。



■その他

和服でのご参加も大歓迎!和服の着こなしなども授業以外で学べます。 呉服屋の若旦那(若女将)になったつもりで楽しんでください。


先生プロフィール:
橋本孝(荒井呉服店 常務取締役)

荒井呉服店2代目社長末男氏の時代に入社し3代目邦彦氏、そして現在4代目社長の芳江氏と 荒井呉服店を支える大番頭。そしてご自身も料亭の元若旦那だった。日本を代表するスーパースター、荒井由美(ユーミン)のいとこ。半世紀以上に渡り伝統文化の織物や染物に通じ、呉服の王道を歩み続けてきた。モットーは「より安く、より豪華に」。若い人たちにも気軽に着物を好きになってもらいたいと願う。

めぐみ(置屋 ゆき乃恵 女将)

24歳で初舞台を踏む。置屋「ゆき乃恵」の女将。 八王子花街でお座敷だけでなく、舞台やイベントなどにも積極的に参加している。 また置屋ゆき乃恵の女将として後進の指導もおこなうなど、これからの八王子花柳界の発展にも寄与している。

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