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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2012年5月12日 (土)
「セヴァンの地球のなおし方」+ダイアログ〜映画を鑑賞して東京にしがわを考える〜(調布市)

日時
2012年05月12日(土)13:00〜17:30
教室
調布市文化会館たづくり8階 映像シアター
所在地
調布市小島町2-33-1
定員
40名
授業料
無料
先生
吉岡 淳(カフェスロー代表)
協力
アースディin調布
授業コーディネーター
天野 洋嗣

【授業リポート】>

「国連 持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催される本年に合わせ、ドキュメンタリー映画「セヴァンの地球のなおし方」の鑑賞とアフター・ダイアローグ(対話)を通じて、"東京にしがわを考える"授業に参加してきました。

教室となったのは、調布の映像シアター。
同時期開催中の「2012アースデーin調布」に合わせた環境ドキュメンタリー映画祭との連動授業。

なんでも、今回の授業コーディネーターの あまのっちが「アースデーin調布」の実行委員でもあるご縁もあって実現したみたい、なるほどね。
そして今回の先生である国分寺のオーガニックカフェ「カフェスロー」オーナーの吉岡さんも、古くからのお知り合いなんですって。
顔、広いね、あまのっち。

さて、授業の参加生徒は30名近く。

地元調布はもちろん、23区内をはじめ神奈川や埼玉まで関東近県まで環境ドキュメンタリー映像や,地球環境への想いを強く持つ、"10歳から75歳までの"幅広い世代の生徒さんたちが集まりました。
なかでも、10歳の小学生の女の子、そして授業サポートスタッフで参加してくれた12歳の小学生・武藤くん、の二人の存在は、映画の主人公でもあるセヴァンが、国連での"伝説的スピーチ"を12歳(当時)で行った、という映画の基軸となっているストーリーともシンクロし、授業当日の会場全体を"プチにわ大国連会議!"的な雰囲気へともっていくような演出効果バツグンの要素でした。

授業のながれとしては、参加者全員がひとこと自己紹介/先生の話(映画のこと、母となった主人公セヴァン・スズキとの関わり、カフェスローのこと)/参加生徒との対話、というかたちで進行したよ。
最初にひとことでも、全員が参加した動機や映画に感じたコメントを発言して共有すると,少しづつだけど会場の空気が柔らかくなるのが,手に取るように分かるね。

にわ大に興味があってっていう男子大学生、東北から調布へ有機コーヒ?のビジネスの準備のために来てるっていうお洒落な女性、「カフェスロー」ファンの女性、農業に取り組む男性、"フラ(ダンス)"のサークル仲間で環境問題に関心の高い4人組女性グループ、調布市でミニコミ誌の編集に携わるお母さんと愛娘と友人・・・。月並みだけど、これだけ多様な属性の人が同じ空間を共有して対話するってのも、にわ大授業の醍醐味だよね。

先生=吉岡さんの話で印象的だったのは、セヴァンとは家族ぐるみの付き合いがあったということ(結婚式にパートナーが出席しているんだって!)、もともとユネスコ事務局で仕事をしていたってこと、世界や地球環境の視点には興味があったけど"足元"の地域には全くと言っていいほど関心を持たなかったということ、「阪神淡路大震災」が(京都出身の吉岡さんを「カフェスロー」を通して)"足元のくらしと地球環境をつなげていく"想いのきっかけだったってこと。この映画とのつながり、今回の授業の先生となった意義などを解説してくれました。

そして対話のキッカケとして、先生から会場の生徒へ投げかけられた問いは「現状を変えるためにしていること(各自の小さな行動)について」。

これは映画に通底するテーマと吉岡さんが考える「言っていることとやっていることを一致させる」「答えを生きている人」に関連させた"問い"として選んでるようでした。

生徒さんからの応答は、「食品添加物を気にしている」「重曹を使う様にしてる」「服を買うとき、長く着るかどうかを問い直してから買っている」「(バーベキューの)炭の購入を国産品を選ぶようにしている」「紙コップの使用をできるだけ避けてる」などなど。数々の小さなアクションアイデアが参加者と共有されたんだ。

吉岡さんの語りがどうしても授業の中心だったんだけど、「ひとりひとりが毎日の生活の中で選択的行動をすることの大切さ」「五感を活かしてもっと自分の判断を大切にすること」「豊かさの意味合いを考え直すこと」「疑ってかかること」などを繰り返し強調されていたよ。
そんな"生きるための教育"の大切さの一環として「東京にしがわ大学」の取り組みも評価してくれていました。うれしいね。

そうそう、そういえば授業翌日は、五月第二日曜日の「母の日」。
そう、誰もがこの母なる地球を共有する、誰もが文字通り、どこかの母のこどもです。
そんな日を前にしてみんなで同じ映画を見て、同じ時間と空間を共有して時を過ごした、なんて考えるとまた一層味わい深い感慨を持つ素敵な一日でしたね。
そして,母となったセヴァンの伝説のスピーチと映画に刺激を受けて、変化のための"行動のタネ"を宿した生徒さんたちが、東京にしがわからまた広がっていく。
「地球のなおし方」の物語は、まだまだひろがりつながっていくようです。

レポート:菱沼 秀行



■テーマ
「セヴァンの地球のなおし方」を鑑賞して東京にしがわでの暮らし方を考える授業。1992年のリオデジャネイロの環境サミットが開催されて今年で20年が経ちました。リオ+20の今年、これから私たちはどう向かっていけばいいのかを考えます。

■授業について
昨年公開の話題の映画「セヴァンの地球のなおし方」を鑑賞していただき、講師に国分寺市の「カフェスロー」の代表 吉岡淳さんをお迎えして「リオ+20」の今年、環境のコト、未来の子どもたちのことを考えます。
授業は映画鑑賞後、ダイアログで参加者どうしで話し合っていただくことになります。誰もが今生きる当事者として何をしたらいいのかを悩み、考え、どうすればいいのかを話し合います。

[映画概要]「どうやってなおすかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」
1992年環境サミットで伝説のスピーチをおこなった12歳の少女、セヴァン・スズキの現在の活動と、日本とフランスで子どもたちの未来を救うために「食」を守り続ける人々を追ったドキュメンタリー 1992年、リオデジャネイロでおこなわれた環境サミットでのスピーチで世界中の人の心を動かした少女は現在29歳(撮影時)となり、お腹に新しい命を宿し、カナダのハイダグアイ島で自然と共存する生活をしながら世界中の人々に向けて「危機的状況には変わりないが、今なら変化をもたらすことは可能だ」と訴え続ける。 そんなセヴァンの声に呼応するかのように世界中でさまざまな取り組みがおこなわれている。

■授業の流れ
12:30
受付開始
13:00
セヴァンの地球のなおし方映画(120分)
映画は10:00からの回でも鑑賞可能です。
15:00
休憩
15:20
ダイアログ
にわ大説明
ダイアログ
17:20
まとめ
記念撮影
17:30
終了

■定員・締切
40名(定員になり次第締切)

■注意事項
※筆記用具、ノートなどを必要に応じて各自ご用意ください。 ※学生登録してからお申し込みください。
※ほかの授業への重複申込みは無効となりますのでご遠慮ください。

■その他
アースディin調布会場では東京にしがわ大学のブースも出店しています。
自家製ぬか漬けの販売の他、にわ大グッズも販売しています。
10:00〜16:00 調布市役所前広場にて開催

先生プロフィール:
吉岡 淳(よしおか・あつし)

1947年、京都生まれ。同志社大学経済学部卒。
 カフェスロー代表。30年間にわたるユネスコ民間運動の業務を経て、
2001年に自身が暮らしていた東京・府中市に、ナマケモノ倶楽部が推進するスロームーブメントの運動拠点としてカフェスローを開店。その代表として経営に携わるかたわら、大学やカルチャーセンターの講師として、「環境教育」「平和教育」「人権論」「NPO論」「世界遺産学」の講座を担当している。
なおカフェスローは、2008年に現在の国分寺市東元町に移転。2011年に設立10周年を迎えた。
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