05 授業に参加

トップ > 授業に参加 > にしがわおみやげプロジェクト キックオフ企画(立川市) 〜「天狗の鼻 棒かりんとう」から学ぶ、商品開発の視点とは?〜

誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

これまでの授業レポート

授業一覧

2012年4月21日 (土)
にしがわおみやげプロジェクト キックオフ企画(立川市) 〜「天狗の鼻 棒かりんとう」から学ぶ、商品開発の視点とは?〜

日時
2012年04月21日(土)10:00〜12:00(予定)
教室
たましん事業支援センター(Winセンター)
所在地
立川市曙町2-8-18 東京建物ファーレ立川ビル1F MAP
定員
20名(応募者多数の場合は抽選)
授業料
無料(但し、参考資料代として500円 「多摩ら・び」最新号)
先生
小澤 尚弘(おざわ・なおひろ) 株式会社MNH
協力
多摩信用金庫
授業コーディネーター
平林 知紘

【授業レポート】

満開だった東京の桜も、葉桜へと変ってきたものの、まだ肌寒い4月下旬。東京にしがわ大学がよくお世話になっている、立川のたましん事業支援センターさんで、「にしがわおみやげプロジェクト キックオフ企画」が開催されました。

参加者は女性10人、男性9人の計19人。授業コーディネーターの平林さんは、今回が初の授業づくりです。「キックオフ企画」とあるように、継続して企画してゆこうとする意気込みを感じます。

東京にしがわらしい おみやげ開発をしよう、と呼びかけたその授業は、株式会社MNH小澤 尚弘さんを先生に、社会貢献や地域活性をおりまぜ「みんなで稼げる」ユニークな事業を学び合う内容でした。

株式会社MNH(「みんなで日本をハッピーに」の略)は、日本最大の生活雑貨メーカー「ノルコーポレーション」創業者 菅喜嗣氏が、若い人自らが企業家になるための訓練と実践の場所を提供すべく2008年に設立した会社です。

NPOで働いていた小澤さんが若き社長に迎えると、小澤さんの経験を活かし、企業や地域、NPOなど関係を広げながら新しい社会モデルをつくられています。

おみやげ企画から、どう地域とかかわってものづくりをするか?まわりを巻き込み、みんなの商品として育ててゆくには?MNHがそれらの課題をもって取り組んでいるお土産事業「かりんとう」。いち企業から外へ外へと広がる、その内容とはどのようなものでしょう。

MNHの「力のない人でも勝てるモデル」1
マーケットを創る(ニッチ)=潜在ニーズを探る。

お土産開発で調査したところ、東京駅で一番売れている商品が、実はかりんとうだそうです。なんだか意外です。もっと派手なお菓子が売れているという印象でした。賞味期限が長い分、在庫などのリスクが軽減される事や、量も変えやすいので金額設定がしやすいのも、利点ですね。


MNHの「力のない人でも勝てるモデル」2
・勝負しない=大資本、大企業と勝負してはならない。

最初の調査で、その他いろいろな食品、今旬のお菓子などが上がった中、かりんとうに注目されたのは、「もともと素材がよく、ネーミング、パッケージを変えることで、大きく化けられるものを徹底して探す。」という条件にぴったりだったそうです。かりんとう製造会社にOEMで地域の素材を加えたオリジナルかりんとうを依頼するなど、製造は専門にまかせされるところが安心ですね。


MNHの「力のない人でも勝てるモデル」3
・地域の応援を得る=行政等の公からの支援、コミュニティビジネスの活用。

これは、おみやげを買う、売る心理を考えると、とても重要です。
「地元の人が愛しているものを買いたい」→地元での認知度はもちろん、地元に愛されるおみやげが、人気につながる。
「おみやげを贈る人にも、うんちくがほしい」→名産品(地域の素材)使用や由来などが背景が、購買意欲につながる。
「どこでつくられているか」→製造元がその地元にある、というのは売る側にも協力を得やすいという利点がある。

なんとなく購入しているようで、私たちもおみやげを買う時にいろいろ考えていますね。


また、包装を福祉作業所に依頼することで、福祉作業所の収入・障がい者支援になります。
その背景を理解してもらえると、売り場の提供につながります。配送は、配食サービスをしているNPOの配送ラインに乗せてもらい、そこに販売権も与えることで、「自分たちの商品」として扱われ、自動的に販売が増えていきます。どんどん周りをまきこみ、関わる人たちがちゃんと収入を得られる仕組みです。

「この事業で何人の雇用が生めたか、をものさしにする」と小澤さん。関わる人が元気になり、利益を得られるから、続けられるのですね。


このように、ビジネスモデルのお話を伺った後は、4,5人毎のチームワークを行いました。にしがわのお土産を開発するならどんなものがいいか?各チームアイデアを出し合い、発表です。

「古代米×ロールケーキ」
地元の隠れた特産品は、その住民がよく知っているな、と感じました。いろいろな名産の話題から、やはり女性が好きなものへとアイデアをまとめられていました。

「小平ポルボロ×八王子の枡」
食材の話がよく出ていた中で、枡の意見は新鮮でした。容器にこだわりがあるのも、おみやげではうれしいですね。ポルボロとは、初耳の方が多く興味をひいていました。

「駅×かりんとう」
MNHのかりんとうを使ったアイデアです。各駅に、その土地の見どころをまとめたパッケージのかりんとうを置くアイデアは、大変好評でした。

「ドラ焼×さくら餡=四っ角ドラ焼」
ネーミングに、思わず皆が笑ってしまいます。インパクトがありますね。小澤さんいわく、さらにストーリー性があるといいのでは、と。「天狗の棒鼻かりんとう」では、パッケージの裏に「もっと自信をつけたい人は、天狗の鼻をそのまま食べるのじゃ。まわりからよく、調子に乗っていると言われる人は天狗の鼻を折って食べ、もっと謙虚に生きるべし。」と書いてあるそうです。

講演が中心で、グループワークの時間が短かった中、生徒さんからは、「各地域のお土産のストーリーをもっと知ってみたい。」「 にしがわの素材や地域のことをもっとたくさん・より詳しく知らないといいアイデアを生むのが難しい。」などの声が聞こえてきました。

次回は継続企画では、この開発の話し合いをもっとじっくり話し合ってもたのしそうです。
みなさんも、地元の食材を意識して、ぜひネタを集めてみてください。たくさんのアイデアに、かかわる人を増やして日本をハッピーにする事業を考えてみたいですね。

レポート:白石香織

■テーマ
東京にしがわのおみやげ開発を目指すキックオフ企画!
高尾山のおみやげ新定番「天狗の鼻 棒かりんとう」の事例を通して、
地域資源を活用するビジネスモデルについて学ぶとともに、
「東京・多摩のおみやげ」の隠れた魅力を再発見する。

■対象者
おみやげの商品開発・ビジネスモデルづくりに興味のある方、
にしがわおみやげプロジェクトに参加してみたい方

■授業について
あなたは、「多摩のおみやげ」と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?
多摩地区の30市町村には、様々な特産品があります。しかしながら東西に長い地域性もあり、
魅力をひとくちで語るには、なかなか難しいところもあるのではないでしょうか。

多摩信用金庫が企画する「東京・多摩のおみやげ」プロジェクトのWEBサイトでは、
多摩地域の特色あるおみやげを900商品以上も紹介しています。
人口およそ400万人が暮らす多摩地域には、実はたくさんの「ご当地自慢」があるのです。

そんな中で株式会社MNHは、地域の異なる事業者と一緒になって新商品を開発するなど、
新たな試みにチャレンジしています。同社が企画している「天狗の鼻 棒かりんとう」は、
発売してから約1年で、すでに高尾みやげの新定番となりつつあります。
この商品は株式会社MNHと、東久留米の老舗かりんとう屋のコラボレーションによって生まれたものです。
他にも「とうふかりんとう」「しょうゆかりんとう」などのヒット商品が次々と生まれています。

果たしてこれらのおみやげは、いったいどんなアイデアから生まれたのでしょう?

そこで今回の授業では、株式会社MNHの事例を通して、地域資源を生かした
商品開発のノウハウやビジネスモデルを学ぶとともに、今後の多摩地域における
おみやげの可能性についてじっくりと考えていきます。

なお、この授業は、東京にしがわらしいおみやげ開発をめざす「にしがわおみやげプロジェクト」の
キックオフ企画です。今後、様々な事業者との連携を通じて、継続的に地域で愛されるような商品を
みんなで考えていけたらと思っています。




■授業の流れ

09:45
受付開始
10:00
はじめに
-多摩信用金庫「東京・多摩のおみやげ」プロジェクトについて
-講師のプレゼンテーション「天狗の鼻 棒かりんとう」商品企画について
-ワークシート:コラボ商品のアイデアを考えよう!
‐全体発表
11:45
まとめ 記念撮影
12:00
終了予定

■定員・締切
20名 応募締切4月13日(金) 抽選結果は、4月14日(土)頃、連絡予定

■注意事項
カメラ、筆記具、ノートなど必要に応じてご自身でご用意ください。
※学生登録してからお申し込みください。
※ほかの授業への重複申込みは無効となりますのでご遠慮ください。
※授業中に撮影した写真やビデオを、東京にしがわ大学の授業記録や
 広報などの目的で使用します。何卒、ご了承ください。

■参考資料について
今回の授業で使用する資料は、多摩の見どころ、歴史、文化など話題
満載の情報活用誌「多摩ら・び」最新号です。



73号 特集「東京・多摩のおみやげ」
発売日 平成24年4月15日
価格 500円(本体価格476円)
企画 多摩信用金庫
発行所 株式会社多摩情報メディア多摩らいふ倶楽部事務局
編集・発売 株式会社けやき出版

先生プロフィール:
小澤 尚弘 (おざわ・なおひろ)

東京都西東京市生まれの28歳。多摩地域でNPOの事務局長を
務めたのち、株式会社MNHへ入社。社会起業家的な視点から、
既存の商品に付加価値をつける戦略で、地域のおみやげ開発に
取り組んでいる。主な企画商品として、高尾山薬王院で販売されて
いる「天狗の鼻 棒かりんとう」など。

株式会社MNH天狗の鼻 棒かりんとう

授業一覧