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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2011年11月12日 (土)
多摩川源流WALK in こすげ(山梨県小菅村)

日時
2011年11月12日(土)09:00〜19:00
教室
山梨県小菅村
集合場所
JR青梅線 福生駅改札前 09:00
※教室まではバスで移動します。
定員
15名(先着順)
授業料
無料(但し、源流体験費用として実費3,000円)
※内訳は注意事項参照
先生
加藤 源久(かとう・もとひさ) 小菅村漁業協同組合員
ガイド
石坂 真悟 多摩川源流大学職員
授業コーディネーター
山下 真央

【授業レポート】

前日の雨があがりよく晴れた土曜日の朝、時間通りに皆さん集まり
福生駅からバスで出発。多摩川沿いを上流へ向かいます。

バスの車内では、授業コーディネーターから挨拶と説明があり
その後、お隣同士で他己紹介をしました。

途中、小河内ダムでトイレ休憩を挟み、小菅村に予定より早く到着。

廃校になったあともきれいに手入れをされている小菅小学校白沢分校
の教室で、本日の先生の加藤源久さん、
多摩川源流大学、NPO法人多摩源流こすげの皆さんから
多摩川源流大学のパンフレット「小菅村概論」を片手に、小菅村の
お話を聞きます。

小菅村は8つの集落からなり、わさびやこんにゃくいもの生産、林業
冬の炭焼きなどで生計を立てていた。

川沿いで作られるわさびは、多摩川の水源の地ということもあり、
20年以上農薬は使っていないそうです。

現在は65歳以上が住民の約半数と高齢化が進み、人口の減少が進んで
いる。特に人口が1000人を切ってから減少のスピードが早く、強い
危機感を感じておられるようです。

そんな中でも、小菅村は「多摩川の源流」をキーワードに、下流域の
イベントに出店するなど、自治体間の交流を図っています。

1時間程度お話をうかがった後、教室に座卓を出し、先生やスタッフ
皆さんと一緒に「多摩川源流弁当」をいただきます。

昔は仕出し弁当というととんかつやエビフライが出たそうなのですが、
地元のものを食べてもらおう、ということで開発され、地元の旅館で
作られているお弁当です。

煮物や酢の物やお漬物など小菅の野菜を使ったおかずが並んでいます。
個人的に印象に残ったのが、ニジマスのフライの隣にあったエノキ
タケの石突きのフライ。サクッとした歯ごたえがあり、面白い食感
でした。

お昼ごはんを食べ終ったら、バスで川に向かいます。

途中に、先ほど話題に出たこんにゃく畑の横を通ります。ものすごい
急斜面ですが、水はけがよくこんにゃく作りに適した環境だそうです。
斜面が急すぎて、畑の土が少しづつ落ちてくるので、昔は落ちた土を
背負って上げたそうです。
トラクターの入れない斜面での農作業はすべて手作業でご苦労が多い
ということが素人目にもよくわかりました。

集落を抜け山道の途中で、立派な下水処理施設の横を通りました。
ここから出される水は飲めるほどにきれいに処理されているそうです。
小菅村は下水道の普及100%がかなり早く達成されていて、それも
これも、東京都民の飲み水の水源の地だからということです。

小菅村と東京とのつながりを実感しました。

山道の途中でバスから降り、胴長という足の付け根まである長靴に
履き替えました。

さあ、本日のメインイベント源流沢歩きが始まります。

はじめは少し躊躇しましたが、胴長をはいているので川にどんどん
入っていけます。

先生は川の中のイワナをすぐに見つけます。
先生の指差すポイントで箱メガネをのぞくとイワナがいました。
産卵の時期もだいぶ終わりに近づいていて産卵シーンは見られません
でしたが、産卵した跡が多く見られました。

気温が高く紅葉のきれいな中、川の中の岩で滑ったり急流にびくびく
しながら上流へ進みます。

多摩川にはよくいるけど全国的には珍しいカエル、小動物の腰の骨、
テンの糞など、普段の山歩きなら見過ごしてしまうものも先生が
説明をしてくれます。

源流といってもそんなに急な斜面ではなく、砂利や砂が多いのは
「堰堤(えんてい)」という砂防ダムがあるから。
そんな話を聞きながら進んでいくと、源流沢歩きの最後にその堰堤が
現れました。

かなり大きな壁から、滝のように川の水が落ちてきています。
しばしマイナスイオンで癒されましたが、この堰堤も登って越えなけ
ればなりません。

堰堤の横の急斜面を大きく回りこみ、木の根っこやロープを掴みなが
ら登ります。
男性には歯ごたえのある斜面でしたが、女性は少しきつそうでした。

登った先は、堰堤にせき止められた砂利と砂で平らになっており、
先回りしたスタッフさんが温かいココアを用意してくれていました。
ココアを飲んで一息つき、川の中で集合写真を撮り楽しい源流沢歩き
は終了となりました。

再びバスに乗り、小菅の湯・物産館に向かう途中に、養魚場に寄り
ました。
小菅村は日本で初めてヤマメの人工孵化に成功したことで、その業界
では全国的に有名だそうです。

小菅の湯・物産館に着いて、授業は終了となります。
名物おばあちゃんの焼くヤマメの塩焼きをかじりながら、授業の感想
を一人ずつ話し、先生とスタッフ皆さんにお礼を言いお別れしました。

その後は自由時間で、お土産を買ったり、お風呂に入ったりして、
17時にバスが出発しました。
渋滞もなく、予定より早く福生駅に到着し18時40分ごろに解散。
参加者の皆さんは丸一日の授業、お疲れ様でした。


レポート担当:浅見義孝

■テーマ
にしがわの自然、多摩川のルーツを知る、見る、感じる。

■対象者
自然が好きな人、多摩川について知りたい人

■授業について
にしがわ地域の憩いの場や文化、生活、さまざまな面で関わりのある多摩川の源流を知っていますか?
今回は、そんな身近な存在である多摩川の源流の村、山梨県小菅村を訪れます。
そう、にしがわ地域を飛び出しての出張授業(移動教室)です。

多摩川138kmの最上流部に位置する小菅村は、人口800人の小さな村。
村の3分の1が東京都の水道水源林として保全されており、透き通る源流と大自然にあふれています。

今回の授業では、小学生から大人まで充分楽しめる自然観察コースの源流沢歩きを実施します。
沢の中を、胴長という水に濡れても平気な道具を身に着け、自然観察や源流にしかすまないヤマメなどの観察をしながら、気持ちよく秋の源流を村のガイドと一緒に体験します。

■授業の流れ(予定)
09:00
福生駅集合(※時間厳守でお願いします)
11:00
小菅村着
スタッフ紹介、村の紹介、昼食、散策準備
12:30
源流沢体験
15:00
体験報告会
15:30
小菅の湯入浴
以降、バスの出発まで自由時間 (物産館あり)
17:00
小菅村出発
19:00
福生駅着
※交通事情により、到着時間が多少前後する可能性がございます。ご了承ください。

■定員・締切
15名(先着順)

■注意事項
・体験費用として実費3,000円がかかります。内訳は以下の通り。
 福生からの貸切バス費用の一部、昼食代、胴長等備品レンタル
・集合場所までの交通費および「小菅の湯」入浴代(600円?750円)は別途。
・山道をバスで移動することになります。
 お車に酔いやすい方は、酔い止め等を持参し、また事前に申し出てください。
※学生登録してからお申し込みください。
※ほかの授業への重複申込みは無効となりますのでご遠慮ください。

■雨天時等の対応
天候や、河川の水嵩の状況によって、源流沢歩きが危険と判断した場合には、やむを得ず授業の内容を変更させていただきますので、ご了承ください。
■代替授業の内容(予定)
「こすげものづくり工房」と題して、クラフト教室(小菅の木を使ったMy箸づくり、スプーンづくり)または、山歩きを実施する予定です。

※本授業は、多摩川源流大学との共催であり、また河川環境管理財団の助成を受けて実施します。

先生プロフィール:
加藤源久(かとう・もとひさ)

小菅村で生まれ、小菅村で育った生粋の小菅人。釣りや山歩き、キノコ採りなどの知識は豊富で、一緒に山を歩いていると、いろんな雑学、樹木の名前などを教えてくれる山案内のスペシャリスト。中でもキノコに関しては、「(キノコの分別に困ったら)もっちゃんに聞けば大丈夫」と村民からの信頼も厚い。現在は、小菅村漁協職員として、ブログの更新や釣り解禁中には日々川を見回り釣り人の安全と、川を見守りながら、小菅村の地域活性化のためにヤマメやニジマスを使った新商品作りなどをおこなっています。

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