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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2011年5月14日 (土)
〜多摩ミツバチプロジェクトとコラボ授業〜「ミツバチのくらしと地域のくらしの活性化」

期日:2011年5月14日(土) 13:00〜16:00
教室:多摩美術大学美術館 4階マルチメディアシアター
所在地:東京都多摩市落合1-33-1 tel. 042-357-1251
アクセス:京王・小田急多摩センター駅及び多摩モノレール多摩センター駅より徒歩5分
定員:30名(応募者多数の場合抽選、5月4日(水)申込締切予定)
参加費:500円(お茶とお持ち帰り用蜂蜜代として)
協力:多摩美術大学美術館、サンリオピューロランド(予定)
先生:多摩ミツバチプロジェクト 峰岸 久雄
授業コーディネーター:天野 洋嗣
※本授業は多摩市の「平成23年度夢たま補助金」の対象授業です。

「ミツバチのくらしと地域のくらしの活性化」授業レポート
2011年5月14日実施

ミツバチときいて、思い浮かべるイメージは?・・・あま?いハチミツ!ということで気軽に参加した養蜂体験授業。こんなにもミツバチ社会が奥深いとは知らなかった・・・。

5月のすこぶる晴れた土曜日。今回の授業に集まった生徒は30人。参加のきっかけをきいてみると、ミツバチそのものに興味のある方だけでなく、ハチミツが好きな人、実際にハチの被害にあったことのある人、植物に興味のある人、ミツバチ大量失踪のニュースを見た人など、実にさまざま。

驚いたのは、下は小学生から、上は60代まで、3世代に渡る年齢層!

誰もが興味を持っていた身近な存在、ミツバチ!

その生態を探ろうと、まずは今回の講師である「多摩ミツバチプロジェクト」の峰岸先生から、ミツバチについての基礎知識を教わる。

☆驚異のミツバチ社会を知る☆
ひとつのハチの巣には約2?3万匹の大家族が住んでおり、みんなでそれぞれの役割分担がある。

トップに君臨するのはご存知、女王バチ。

女王バチが存在しない限り、どの巣も機能しないのである。

そして何より重要な任務、それは子供を生むこと。

女王バチは、働きバチによる至れり尽くせりのVIP待遇を受けながら子作りに専念するのだ。

そして、その我が巣の女王のために、せっせと花の蜜を集めているのは、ほとんどの数を占める働きバチたちである。


ここで、驚愕の事実が判明。なんとこの働きバチ、すべてメスだった!!


働く女たちがハチミツ社会を動かしているのかーと妙に感心。

さて、その働きバチっ娘、食糧調達や子育て、巣の掃除など、仕事は多岐にわたる。春は蜜収集という外回りからヘトヘトに疲れて帰巣、さらに巣でも羽を羽ばたかせて、蜜に風を送ることで糖度を上げるという、まさに羽を休めることなく、不眠不休で働くのである!そのため寿命は1カ月。これもすべては巣のため、女王バチのため。ちなみに女王バチは6年も生きるそうだ。

ところで、オスは何をしているか?というと、まずは女王バチとの子作り。

オスは一度の交尾で死んでしまうので、これは命がけ戦い。しかし、中には働きバチが苦労して運んできた蜜を食べて、巣の中でのほほんとしているオスもいるらしい。「働かざるもの食うべからず」ということで、そのうち巣から追い出されるそうだが・・・。

なんだか人間の縮図を見ているようで、複雑であった。いや、人間以上にちゃんとしたコミュニティが出来上っていて、お互い不満も漏らさず(?)協力し合って生きている。ミツバチ社会ってスバラシイ!

それから、みんなも気になっていた、近年のミツバチ失踪についての説明もあった。農薬大量散布による、免疫力低下による大量死や、運動機能や帰巣本能がやられてしまい、巣に帰れなくなってしまうことも...。またハチの受粉に頼っていた農作物への被害も深刻だという。

☆ ミツバチの深い話を聞いた後、いざ養蜂現場へ潜入☆

みんなで白装束に着替え、完全防備で臨む。お互いの着付けを手伝うことで、コミュニケーションがうまれたりと、初対面なのに見事なチームワーク!

いよいよ、ミツバチたちとのご対面でテンションMAXに!!

それでもやっぱり最初は怖い・・・。いやいや、ミツバチ社会を知ったからには、この目で見てみたい!ということで、ソロソロッと近寄ってみると、そこには小さいながらに懸命に働く姿が!さっきまで怖かったのに、急に親近感がわくから不思議。周囲からも「かわいい?!」という声も。

先入観じゃなく、ちゃんと相手を知るというのは、大事だと思った瞬間である。

さて、ハチの巣といえばあの形!そう、あのハチミツぎっしりの六角形だ!

今回こんな間近で見ることができ、本当に感動!数ミリ狂わず六角形がびっしり並んでいるのを見ると、これぞ自然の驚異だと感じる。

その巣を遠心分離機にかけて、絞りたてのとろっとろの金色ハチミツを味見してみる。それはそれは格別に美味しくて甘く、今までの食べていたハチミツとは比べ物にならないほどだった。


☆ディスカッション☆
多摩ハチミツプロジェクトの目的のひとつは、「ハチミツを使って地域活性したい」ということ。

現在行っている活動として、

・地元の自然食を扱うお店でのハチミツ販売

・カフェやパン屋さんでハチミツを使った商品の販売

・ハーベストフェアやスイーツコンテストなどのイベント参加

などがある。
「アロマやハーブを使った有機農薬にしたいのだが、多摩では高くても安心安全を買う人がまだまだ少ない。旬のものは旬に食べるという、江戸時代を現代化したような街にしたい」と、峰岸先生。

ここで、参加者の私たちも一緒に考えてみたところ、

・ハチの住みやすい環境を作るために、無農薬での緑化推進

・ミツロウリップを作る

・ミツロウで小さいサイズのワックスを作り、地元の家具屋さんやデザイナーとコラボし、アフターケアまで多摩という場所で一貫してやる。

と、なかなかいいアイデアが出てきて、今後もまた何か素敵な企画ができそうな予感。。
この授業の一番良かったところ、それは参加者全員が満足していたこと!

私のようにハチミツ好きというほんの小さなきっかけで、ミツバチのしくみを知り、植物や食べ物にも興味がわき、それが自分たちの生活にも直結していて、いつのまにやら地域活性のことを考えていたり...と、だんだん見方が変わってくるのが面白かった。

知らなかった世界を体験を通じて感覚的に理解するって、とても新鮮!

それがみんな満足してくれた理由かなと思う。

人が集まり、何かをしようと考える。それだけで、すでに地域活性だと思う。

ハチたちのように、人間ももっと協力し合って生きなくては!


レポート:佐藤 奏
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■テーマ
ミツバチを通してくらしを考えましょう!
多摩ミツバチプロジェクトと東京にしがわ大学のコラボ授業。
紀元前2500年ごろからエジプトで始まったとされる「養蜂」は、ヨーロッパやアラビア・アジアへと広がり、私たちの生活にかけがえのないものとなっています。
輸入の安価なハチミツが多い現在、安心・安全なハチミツを生産している養蜂家は現在貴重な存在です。
一方で、多摩ミツバチプロジェクトのような趣味的な養蜂活動が各地で盛んに行われています。農薬の散布や公害などによりミツバチには住みづらい環境になっているなかで、私たちはどう付き合えばいいのでしょうか?
私たちと同じようなコミュニティを作るミツバチを通して私たちの「くらし」の安全・安心を見つめ直してみましょう。

■対象者
ミツバチに興味のある方。はちみつ好きな方

■授業について
1)ミツバチ・養蜂ガイダンス(40分×2組) マルチメディアシアターにて
・ミツバチの生態やはちみつの効果
・養蜂についての取り組み・はちみつ紹介

2)巣箱見学実習(40分×2組)屋上にて(雨天の時は中止)
・巣箱のしくみ説明(営巣の様子をまじかで見ます)
・天敵の紹介
・採蜜の体験(遠心分離機を回しハチミツを絞ります)


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■授業の流れ(予定)
12:30 受付開始
13:00 授業スタート(美術館入口ホール)
・にわ大からのごあいさつ 10分
・参加者自己紹介 20分
・多摩ミツバチプロジェクトの紹介とメンバー自己紹介 10分
・参加者グループ分け(2班に分けて移動)

13:40〜
A班 ミツバチ・養蜂ガイダンス(40分)→巣箱見学(40分)
B班 巣箱見学(40分)→ミツバチ・養蜂ガイダンス(40分)

15:00〜
・パルテノン多摩内「トレーノ・ノッテ」にてTea timeディスカッション 30分
・記念撮影 10分
・アンケート回収 20分
16:00 授業終了

■注意事項
重複応募は無効となりますのでご注意ください。
また、授業の参加エントリーには、学生登録が必須となります。

■定員・締切
30名 (申込締切は、5月4日(水)当日いっぱいまでを予定しています)
当選・落選は、5月7日(土)頃、ご連絡予定です。
尚、受講生の当日の服装に関しましては、黒い服、スカート、ハイヒールは極力
避けてください。

先生プロフィール:
多摩ミツバチプロジェクト
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多摩ミツバチプロジェクトは多摩市を中心に活動しているナチュラリスト、地域ボランティア、多摩在勤者、暇をもてあましている人など様々な人たちが15人位 集まって、2008年から活動を開始した養蜂プロジェクトです。


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