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誰もが無料でうけられる授業。興味、関心のおもむくままに気軽に参加できるのがうれしい。 授業に参加することで、知らなかった人、知らなかったこと、知らなかった場所に出会える。そんな喜びがあるはずです。

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2011年4月 9日 (土)
【特別授業】ワールドカフェ:「コミュニティについて考える」 〜なぜ災害時には互いに助け合う共同体が立ち上がるのか〜(立川市)

期日:2011年4月9日(土)10:30〜12:30
教室:「オリオン書房 ノルテ店内ラウンジ」(立川市)
所在地:立川市曙町2-42-1 パークアベニュー3F
アクセス:JR「立川駅」北口より徒歩3分
http://www.orionshobo.com/info.htm
定員:30名(先着順)※人数変更の可能性有り
協賛:オリオン書房
授業料:無料
授業コーディネーター/当日進行:菱沼秀行

今回の授業は、立川駅から徒歩3分のオリオン書店の一角のカフェテリアで行われました。

通常、にしがわ大学の授業は、地元の「先生」がいるのですが、本日は「みんなが先生」というスタイルでした。はじめに授業コーディネーターの菱沼が、「災害ユートピア」という本を紹介しながら、「この未曾有の災害に見舞われた今だからこそ、共有した体験をもとに新しい時代のコミュニティについて話していきたい」とソフトにかつ熱く今回の目的を説明してくれました。

 参加者は、約20名。20代から50代(?)と幅広い年齢層でした。はじめに、それぞれ自己紹介をしました。参加者の方は、立川付近のみではなく、横浜や川崎など幅広い地域の方もいました。みなさんとても問題意識が高く、それぞれ今回の被災経験を通して何か共有できたらという思いがにじみ出ていました。

 授業のスタイルはワールドカフェ。これは、カフェにいるかのよう(今日は本当のカフェにいましたが・・)に自由な発想で話し合いができる方法として1995年に考案されたものです。本日のカフェのおしながきは3つ。テーブルには、模造紙とスタンプつきのペンが置かれ、4人一組で問にそって話し合いながらキーワードをそれぞれが模造紙に書き込んでいきました。最初からスムーズに話が進むグループや、ちょっと戸惑いながら話がスタートしたグループなどそれぞれのペースで20分間話しました。あるグループでは、ちょっとした緊張感を和らげるため、小道具のマイクの中のラムネをわけあい、なごやかなムードを自分たちで作り上げていました。

問1:<「3月11日(から今日まで)に経験した「助け合い」「他人のやさしさや思いやり」「人とのつながり」を実感した、あなたのエピソードを聞かせてください>

  「計画停電の予定を心配して、友達がわざわざ電話をかけてくれた。びっくりしたしうれしかった」
「物資がないと心配してわざわざ納豆などを送ってきてくれた家族の優しさを実感した」
「真っ暗な中、懐中電気の明かりに寄り添う家族。自然とやさしい気持ちがわきあがってきた」
「福島に物資を運ぼうとする親の姿を見て、娘が友達に呼び掛けて1000本もの歯ブラシをみんなが持ってきてくれた」
「帰宅難民となったけど、みんなで同じ方向を向かって歩くことで勇気が出た」
「一緒に寄り添ってくれるだけでうれしかった」
「助け合っている姿を見るだけで、勇気がわいた」

みなさんの体験が次々に語られていました。さて、20分後、菱沼さんが手を挙げ ている合図に気づき、さっと手を挙げ始めるグループや気持づかず話続けているグループ、そして手を挙げながらもしゃべり続けるグループなどそれぞれでした が、次の議題に・・。テーブルにはホストが一人残り、他のメンバーは座席移動。新しい顔ぶれで次の議題がスタート。


問2:どうしてこの状況下において「助け合い」や「親切心」など相互に助け合うコミュニティが自然と立ち上がるのでしょうか?

「同じ経験を共有しているから」
「同じ価値観に向かって歩んでいるから」
「性善説。本来もっている人間のよさが非日常において発揮されている」
「ツイッターによって、現場の生の声が確認できる。現場に必要なものがわかるので、助けあいが行いやすい」

 ホストの方に上手に問1のまとめをしていただき、すぐに問2についての話し合いがスタートしました。20分の合図が終了後、最後は、元のメンバーに戻り、今後のことについて話し合いました。なぜかみなさん仲間の元に戻ってきたかのようにほっとした表情が印象的でした。すでにコミュニティが出来上がっています。


問3:このような理想的な共同意識をずっと維持していくためにはどのようにすればよいでしょうか?

「ツイッターなどのメディアを利用してニーズと二―ドを発信していく。そのためには、メディアリテラシーも必要」
「被災体験をしてみるのもいいと思う。実際体育館で寝たりする中で、どれほど大変か少しでも実感できる」
「日本が今後どの方向を目指すかをみんなで議論する」
「自分が所属するコミュニティを3つ以上持つようにする」

具体的なアイデアもたくさんでていました。3回のディスカッションを終え、最後に30秒 ごとに感想を述べまとめとなりました。授業を通して、みなさんとても仲良くなっているのが印象的でした。最後のアンケートの満足度も高く、もう少し話した いというような意見も多くみられました。新しいコミュニティの形成、すでにはじまっていますね。

オリオン書店の皆様、場所を提供していただきありがとうございました。

(レポート 藤後悦子)

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●テーマ
3.11「東北関東大震災」(および当日の帰宅困難状況など)の経験をへて、コミュニティについて考えてみる、感じたことを話してみる、共有してみる。「災害ユートピア」というキーワードについて考えてみる。


●対象者
どなたでも。 血縁や地縁でなく新しい共同体づくりの可能性に関心のある方。



●授業について

3.11。あなたはどこにいましたか?
そしてその日、誰とどんな会話をし、どのように過ごしましたか?

災害学、専門家の研究の中に、"災害ユートピア"というキーワードがあります。

災害が、もともと私たちの中にある相互扶助の精神を立ち上がらせる、というのです。

あの日、遠距離を徒歩帰宅する途中で出会った親切心、見ず知らずの帰宅困難者に自宅を開放する行為、twitterなどのソーシャルメディアで行き交う多くのひとびとをサポートする情報の数々・・・。

自らも災難の渦中にいながら、人は困っている人に手をさしのべる。人々は進んで自分のやれることに精を出す。見ず知らずの人間に食事や寝場所を与える。知らぬ間に話し合いのフォーラムができる。人と人のつながりが生まれる......。一方でなぜその"ユートピア"が日常に生かされることはないのでしょうか?

ここ東京にしがわには、30の市町村に400万人もの人々が暮らしています。
この未曾有の災害に見舞われた今だからこそ、年齢や性別や属性を超え、広域から皆で集まり、体験を共有し、新しい時代のコミュニティについて語りませんか?

11日の震災当日に東京にしがわでも感じた、人と人のつながり、エピソード、そして今、私たちが出来ること、そして地域の新しい共同体の重要性を、参加者同士が小グループ内で意見交換するワールドカフェスタイルの学びの場です。

※先生は特に立てずに行う予定です。

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■参考:ワールド・カフェとは?

本物のカフェのようにリラックスした雰囲気の中で、メンバーの組み合わせを変えながら、4〜5人単位の小グループで話し合いを続けることにより、あたかも参加者全員が話し合っているような効果が得られる、テーマに集中した参加者同士の対話方式です。

参照URL  http://world-cafe.net/about-wc.html

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●定員
30名(先着順)※人数変更の可能性有り


●応募締切

先着順


●お申し込み方法: 専用ページよりお申し込みをお願いします。
※学生登録してからお申し込みください。
※同じ開催月のほかの授業への重複申込みは無効となりますので、ご了解ください。


●授業の流れ

10:00 受付開始
10:30 オリエンテーション
10:50〜ワールドカフェ

問い1.
3月11日(から今日まで)に経験した「助け合い」「他人のやさしさや思いやり」「人とのつながり」を 実感した、あなたのエピソードを聞かせてください。


問い2.
どうしてこの状況下において「助け合い」や「親切心」など相互に助け合うコミュニティが 自然と立ち上がるのでしょうか?


問い3.
このような理想的な共同体意識を ずっと持続していくためにはどうすればよいのでしょうか?


12:00 まとめ総括
12:20 記念撮影
12:30 終了予定


●備考
実際にコーヒーなどを飲みながらくつろいだ雰囲気の中で会話を楽しんでいただけます。
ドリンク代は別途各自負担となります。ご了解ください。


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