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2010年12月11日 (土)
「セカンドオピニオン」って知ってますか〜多様な意見からみえる選択肢〜

日時:2010年12月11日(土) 14:00〜16:00
教室:立川女性総合センターアイム
定員:30名(定員に達し次第締め切られていただきます)
参加費:無料
先生:川上 憂子(かわかみゆうこ)
進行:伊東学(いとうまなぶ)
授業コーディネーター:酒村なを

「セカンドオピニオン」って知ってますか? 〜多様な意見からみえる選択肢〜 授業レポート


セカンドオピニオンは、選択肢を増やし納得して治療を受けるための患者の権利
人は誰しも、大きな病気やケガする可能性を持っています。
もしそうなったとき、受身ではなく、納得して医師の治療を受けることがとても大切です。
納得しないまま治療を受けると後悔の原因になりますし、何より、どんなにいい治療を受け、どんなにいい薬を投与したとしても、本人が「これで治る」と信じなければ、治るものも治らないそうです。
今回の授業のテーマである「セカンドオピニオン」は、患者の選択肢を増やし、納得した治療を受けるための有益な手段のひとつ。
先生に、医療コーディネーターの川上憂子さんと、医療コーディネートステーション代表の伊東学さんをお迎えし、医療現場でのさまざま事例を挙げていただきながら、セカンドオピニオンの実情や手順についてお話ししていただきました。

第一部・セカンドオピニオンの基礎知識
〜いつ、誰に、どうやって?〜
?セカンドオピニオンを受けるタイミングは?
自分が受けたいと思った、まさにそのときです。
本当に自分は病気なんだろうか。誤診の可能性はないのか。
医師に薦められた治療以外の方法で治せないのか。
なんとなく担当医とウマが合わない。
どんな理由であれ、自分が納得して治療を受けられないと思ったら、セカンドオピニオンを思い浮かべてください。 納得していないのにカラダにメスを入れたり、放射線を照射するような治療を受けると、後で他の治療が受けられず、ずっと後悔することもあるのですから。

?どの病院、どんな医師に依頼すればいいか?
ご自身でよく調べ「この先生だ」と信じられる人を見つけることです。
その際、前の医師と師弟関係にある方や、同じ大学の出身者はできるだけ避けましょう。
同じような治療法を薦められる可能性が高く、患者の選択肢を広げることにつながりません。
また、どうしていいかわからないときは、医療コーディネーターに相談するのもいい方法です。

?主治医への伝え方は?
遠慮せず、単刀直入にお伝えしましょう。
いま、セカンドオピニオンは特別なことではなく、医師に不快な思いをさせることもありません。
どうしても言い出しにくい場合は、このような裏技もあります。
「保険会社の人に言われて」とか「家族が薦めるので」など、誰かのせいにして"仕方なくて感"を演出してみましょう。

?当日の注意点は?
医師の説明を受けるとき、一人だけで聞かないことです。
人間の耳は、ものごとを都合のいいように解釈するクセがあります。
いくつかの耳で聞けば、より客観的な判断ができ、よりいい治療法を選択できます。
必ず家族や医療コーディネーターに同席してもらうようにしましょう。

?お金はどれくらいかかるの?
セカンドオピニオンは自費診療です。保険がききません。
それに医師の自由相場なので、1回の受診が5万円の病院もあれば、有名な医師だと15万円になることもあります。
初診診療にして保険を適用した方が安い場合もあるので、こちらも事前に調べておきましょう。

第二部・ワークショップ
〜もしも家族がガンになったら〜

生徒さん5人1組で仮想ファミリーをつくり、お父さんがガンになったという想定で、擬似家族会議を行いました。
議題は、今日お父さん(52歳)がガンと診断され、3日後に医師と相談して治療法を決めることになったけど、どうしようか。
それぞれ、同居するおばあさん(75歳)、専業主婦のお母さん(48歳)、結婚を控えたキャリアウーマンの長女(25歳)、美大に進学希望の長男(17歳)、親戚のおじさん(45歳)になりきって、話し合いをスタート。
お父さんが納得して治療を受けるためにできること、家族みんなが協力して病気に取り組む必要性など、まるで本当の家族のように活発な議論が繰り広げられました。

授業を振り返って
〜すべての治療のはじまりは「納得」〜

自分や家族が病気になったとき、治療結果の良し悪しではなく、納得してコマを進めたかどうか、それが今後の人生に大きく影響するということを実感させられました。
治療をするのは医師だけど、治療を選ぶのは患者。
たくさんの情報が得られ、患者にはセカンドオピニオンという権利もある時代、それを使わない手はありません。
納得した治療で、笑顔で前向きに病気に取り組む、それが何よりの特効薬かもしれません。



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●テーマ:
"多様な意見を聞きながら自分の選択肢を増やしたり、新たな気付きを得る"という「セカンド・オピニオン」を体感する

●対象者:
だれでも。
「セカンド・オピニオン」や「カウンセリング」に興味のあるひと。
普段なかなか聞く機会のない医療に関する素朴な疑問を聞いてみたいひと。

●授業について:
セカンド・オピニオンという言葉をしっていますか?
セカンド・オピニオンとは、よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に、求めた「意見」または、「意見を求める行為」の事です。
医療の場で多く使われていますが、現在では分野を問わず多くの場面で用いられるコンセプト。
治療など重要なものごとを決める際には、複数の専門家から多様な意見を聞き、自分らしく納得した結果を得られるようにな選択肢がほしいと思います。
今回は、医療の最前線で[医療コーデイネーター]として、まさに"セカンドオピニオン"の実務に携わる川上憂子(かわかみゆうこ)さんを先生に迎え、医療コーデイネーターからみた「人生の選択肢」などを学んでいきたいと思います。


●授業の流れ(予定)
13:30 受付開始
14:00 先生、生徒の自己紹介
14:20 先生のおはなし 「セカンド・オピニオン」の重要性と医療コーディネーターの紹介
15:00 【ワークショップ】 2人1組チームで順番で交互にカウンセリング 
15:25 生徒の感想とまとめ
15:40 先生の感想とまとめ
15:50 アンケート
16:00 終了

進行プロフィール:
伊東学(いとうまなぶ)
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医療コーディネートステーション代表
大阪大学理学部卒業。母親をがんで亡くしたときに、「他の治療法はなかったのだろうか、最善を尽くしたのだろうか」という思いが強く残り、これからの医療に貢献しようと決意。患者やその家族が、納得いく治療法を選択できる社会を実現するため、2010年に10数名の医療コーディネーターとともに「医療コーディネートステーション」を立ち上げた。株式会社日本エンブレース代表取締役を兼務。
http://www.mc-station.com

先生プロフィール:
川上 憂子(かわかみゆうこ)

看護師・医療コーディネーター
専修大学法学部法律学科卒業。法律事務の仕事に従事していたが、思い立って看護師を志願。国立病院で臨床経験を重ねたのち、看護教員として教壇に立ち看護師育成にも携わった。現在、国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科で「乳がんと女性」をテーマに研究中。「学校でのがん教育を考える会?Cancer Education @ School」代表。

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